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[社説]韓米合同演習の縮小、対話局面への転換点に

登録:2017-08-21 04:28 修正:2017-08-21 06:59
2016年11月12日、慶尚北道浦項市松羅面祖師里海岸一帯で開かれた「韓米連合上陸訓練」で連合軍が海岸に到着している。今回の演習は韓米海兵隊と国連司令軍所属のオーストラリア軍とニュージーランド軍も一緒に練習をした=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 21日から始まる乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)韓米合同演習に参加する米軍兵力が、昨年より7500人減ったという。強い危機局面で米軍が兵力を増員せず、むしろ減らしたのは、演習規模の縮小と見られる余地がある。北朝鮮がグアム包囲射撃計画を暫定的に延期し、さらなる挑発をしなかったことに合わせて、米国がそれなりの誠意を見せたと言える。政府は演習の縮小ではないと否定ばかりせず、状況を賢明に管理して、朝鮮半島の“緊張モード”を“平和モード”に変える転換点として積極的に発展させていく必要がある。

 韓米は同盟レベルの年次的な防御訓練だと言うが、北朝鮮は敏感に反応し、反発しており、韓米の大規模軍事演習の度に挑発を強めてきた。昨年、乙支演習期間に潜水艦弾道ミサイル(SLBM)を発射したのがその代表的な事例だ。数十年間繰り返されてきた様相だ。今回の演習は、最高潮に達した朝鮮半島の危機がまだ完全に沈静化していない局面で行われる。韓米が攻撃的訓練を行い、北朝鮮がこれに挑発で対抗すれば、どのような破局を迎えるか、誰も予測できない。韓米が演習の規模を縮小し、これに合わせて北朝鮮も挑発を自制するなら、対峙局面を対話局面に変える重大な契機になるだろう。

 韓米が予定通りに練習を進行しながらも、北朝鮮を刺激する恐れがある措置は極力避けるのもいい方法だ。米軍が今回の訓練期間中はB-1B爆撃機など、北朝鮮が敏感に反応してきた戦略資産を朝鮮半島に展開しないと見られているが、十分に検討できる措置だ。偶発的、局地的な衝突が全面戦争に広がる危険が存在する危機局面で、あえて朝鮮半島の上空に脅威的武器を展開し、北朝鮮を刺激することは望ましくない。韓米による演習の縮小が平和への架け橋となった前例もある。南北は1991年チームスピリット演習を中止することで合意し、これが朝鮮半島の非核化共同宣言と南北基本合意書の採択につながった。

 北朝鮮も無謀な武力挑発では何も得られないという現実をしっかりと認識しなければならない。そして、朝鮮半島の緊張を高める一切の軍事行動を中止すべきだ。北朝鮮は今回の韓米合同演習について、「すでについた火に油を注ぐようなもの」と威嚇したが、例年に比べ激しくないという点が目に引く。北朝鮮は、せっかく用意された解氷の機会をうまく生かせるように、いつになく冷徹で慎重に行動する必要がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/807540.html 韓国語原文入力:2017-08-20 18:15
訳H.J(1153字)

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