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中国メディア、「THAAD敷地」提供したロッテに「中国から遠く離れよ」

登録:2017-02-21 22:33 修正:2017-02-22 08:02
「環球時報」の社説で、事実上の“不買運動”を提案 
「米国を助けて中国に損害を与える元凶と見なす」 
「THAAD撤回は困難であることも知っている」異例の言及も
今月21日付「環球時報」の社説//ハンギョレ新聞社

 THAAD(高高度防衛ミサイル)配備の敷地を国防部に提供する予定のロッテに、中国メディアが「中国から遠く離れよ」とし、事実上、全社会的な不買運動の必要性を主張した。

 中国の「環球時報」は21日付の社説で「ロッテの決定を変えることはできないが、THAAD配備を支持した対償を払わせるべきという中国社会の決心も固い」としたうえで、「このように直接的にTHAAD配備に向けて全力を尽くして、中国の利益を損なった企業は必ず中国から遠く離れなければならない」とし、「世界は非常に広い。他の地域に行って多くの店を開き、彼らと幸せな日々を送ることに対して、私たちは全く嫉妬しない」と主張した。「中国を離れてもロッテは多分これからも生きていけるだろう。だから、THAAD配備への支持を選択するだけで、北京の態度がどうであれ、そのこと(配備)は実現できるだろう」とロッテを皮肉った。

 社説は「韓国のTHAAD配備決定を変えることに成功する可能性が低いことを我々も知っているが、だとして、(それが)中韓経済協力レベルを大幅に下げるべきという我々の態度に影響を与えるわけではない」とし、ロッテ以外の追加的制裁の可能性も示唆した。しかし、経済報復を示唆する内容であるにもかかわらず、韓国政府に「THAAD配備の撤回」を一貫して要求している中国が、実際に撤回が容易ではないという否定的な見通しを示したのは異例であることから(同社説は)注目される。韓米政府がTHAAD配備と関連した手続きを順次進めている中、中国政府は「配備の撤回」の現実的な可能性については言及を控えている。

 同社説には「中国と対抗する米国のミサイル防衛(MD)システム配備を手伝っているのに、(中国の)友人と言えるのか。大多数の中国人はこれから韓国を米国を助け、中国の国家利益を損なう元凶と見なすだろう」という激しい警告もあった。「中国は『友好的な交流』以外に韓国に望むことはない」としたうえで、「韓国に優秀な先進技術や中国にとって重要な資源があるわけでもない」と韓国を蔑む内容もあった。韓流ブームについても「THAADのことがあってから、多くの中国人が韓流の趣向が変わったとか、つまらないと話している」と主張した。

今月18日午後、光化門広場でTHAAD配備反対決起大会が開かれた中で、ある参加者が配備決定の撤回を要求する絵を掲げている/聯合ニュース

 THAAD敷地に指定された「星州(ソンジュ)ゴルフ場」を所有しているロッテ商事は、今月3日に理事会を開いてTHAAD配備のための敷地を提供する案を議論したが、結論を出せなかった。敏感な事案であることが考慮されているといわれるが、一部のメディアは、ロッテの内外の消息筋を引用し、結局THAAD敷地の提供は行われるだろうと報じている。このような時点で「環球時報」が事実上の不買運動を示唆したことには、意味があると思われる。最近、客室に極右性向の書籍を備えて、「環球時報」の報道を筆頭に議論になってから札幌冬季アジア大会韓国・中国代表選手団が宿泊しないことを決めるなど、激しい抗議を受けている日本のAPAホテルの事例のように、同紙が中国の“国益”を掲げて他国に対する制裁の先鋒に立つことがあるからだ。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/783525.html 韓国語原文入力:2017-02-21 14:17
訳H.J(1634字)

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