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ワシントンポスト「朴槿恵スキャンダルは『ウォーターゲート』よりも深刻な事件」

登録:2016-11-18 02:05 修正:2016-11-18 07:52
「腐敗・賄賂・横領・権力濫用など『韓国病の典型』」
16日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地検前で開かれた朴槿恵大統領への厳正捜査を求める緊急キャンドル集会の参加者が「朴槿恵大統領退陣せよ!」と書かれたプラカードを持って声を上げている/聯合ニュース

 米国の有力日刊紙ワシントンポストが、「朴槿恵(パク・クネ)スキャンダル」は米国のリチャード・ニクソン大統領の不名誉な退陣につながった「ウォーターゲート」よりさらに深刻な事件と見られると分析した。

 同紙は16日(現地時間)、「朴槿恵スキャンダルは治癒されない腐敗という『韓国病』を示している」というタイトルの記事で、大統領が関連する今回の事件が腐敗、賄賂、横領、権力乱用など「韓国病」の典型を示していると伝えた。「韓国病」とはかつて金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が以前の軍事政権の弊害と不正腐敗に対して使った言葉だ。

 ワシントンポストは今回のスキャンダルを「朴槿恵スキャンダル」と規定し、その内容を詳しく報道した。同紙は「先月、朴槿恵大統領がチェ・スンシルという何ら公式な肩書もない民間人に諮問を受けてきたという事実がメディアを通じて明らかになり、議論が大きくなった」とし、「チェ・スンシル氏は機密文書である大統領の記録物を受け取り、大統領との親密な関係を利用して7千万ドル規模の企業の拠出金を二つの財団を通じて受け取ったという疑惑がある」と伝えた。同紙はチェ・スンシル氏の娘のチョン・ユラ氏も大学入学の不正に関わっていると伝えた。

ワシントンポストホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ワシントンポストは「朴槿恵スキャンダル」が依然として韓国に広範囲に残る「韓国病」を示していると指摘した。同紙は、サムスン、現代、LGなどの大企業の関係者が財団への出資金をめぐり相次いで検察の取調べを受けていると伝え、「特にサムスンの場合、主要な商品である携帯電話『ギャラクシーノート7』がバッテリー爆発問題で販売が中止されて厳しい時期に今回のスキャンダルで危機がまた増えた」と指摘した。

 同紙は検察の事情聴取を受けたウ・ビョンウ前民政首席秘書官について言及し、韓国の検察もまた政治的な検察という批判を受けていると伝えた。同紙は「著名な検察出身であり、朴槿恵を至近距離で補佐したある首席秘書官は、チェ・スンシル氏を支援したという疑いで検察の調査を受けた」とし、ウ・ビョンウ前民政首席秘書官の検察召喚の事実を報道した。同紙はさらに「出世という盲目的な目標にとらわれた検事らが、個人的な関係を利用し大手企業や大統領府などで仕えるのは韓国社会ではきわめて一般的」と指摘した。

 ワシントンポストは、韓国で明らかになった腐敗は、政府主導の産業化や共同体を重視する社会的ムードに起因する部分があると診断した。同紙は「朴槿恵大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が、かつての産業化時代にサムスンや現代のような大企業を支援し、当時作られた政府と企業間の関係が依然として韓国社会に根強く残っている」と分析した。同紙は「韓国には『好意』(favor)という概念よりも強い義務と期待が溶け込んだ『付託(頼み)』(butak)という単語がある」という米外交協会スコット・スナイダー研究員の言葉を紹介し、「韓国は共同体を非常に重視する国であり、このために個人的関係で牽制と均衡を取ることがとても難しい」と指摘した。

 カリフォルニア州立大学の韓国問題専門家であるステファン・ハガード教授は、ワシントンポストとのインタビューで「機密文書、財団、大学など、今回のスキャンダルは現在進行中の法律違反のすべての範囲を示している」とし、「これはウォーターゲートよりさらに大きなスキャンダル」だと指摘した。

ファン・クムビ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/770699.html 韓国語原文入力:2016-11-17 13:42
 訳M.C(1733字)

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