日本の首相として史上初の米国議会上下両院合同演説をする安倍晋三日本首相の“ロール モデル”はあるのか。
読売新聞は安倍首相が彼の祖父でありA級戦犯容疑者だった岸信介(1896~1987)元首相の米国議会での演説を参考にし演説文を推敲していると25日報道した。米国訪問の途についた安倍首相は28日、バラク・オバマ米国大統領と首脳会談をした後、翌日の29日に米国議会で40分程度英語で演説する予定だ。
報道によれば、安倍首相は1957年6月20日、岸元首相が米上院と下院でそれぞれ行った演説を参考にして、側近たちの意見を聞きながら演説文の推敲作業をしている。 安倍首相は岸元首相の録音された演説内容を執務室で聞いたとも伝えられた。
岸元首相は当時の演説で、米ソ間に激しい冷戦が繰り広げられていた国際情勢に言及し、「国際共産主義はアジア人の熱烈な民族主義を利用してアジアを席巻しようとしている。 日本は自由世界の忠実な一員としてアジアで有効で建設的な役割を遂行できる」として、日本の戦略的重要性を強調した。 また「日米の友好関係、相互尊敬と信頼、両国協力のきずなはより一層強固にしなければならない」とし、米日の“未来指向的関係”を前面に押し出した。
新聞は安倍首相が「第2次大戦が終わってわずか10年余りの時期に、“未来指向”の日米関係を前面に掲げた祖父の演説内容に感化された」と指摘した。 安倍首相が周辺国から過去に対する謝罪と反省を要求されるたびに口癖のように言ってきた“未来指向的関係”という概念の原形は、祖父の岸元首相にあるというわけだ。 岸元首相は自身が身を置いた東条英機内閣の犯した真珠湾攻撃をはじめとして、日本の侵略と戦争に対する謝罪や反省の意は当時の演説に入れなかった。
安倍首相は今回の訪米を通じて自身を祖父に匹敵する歴史的な人物として位置づける計画だ。 岸元首相は訪米から帰って3年後の1960年1月に米日相互防衛条約を「日本は米国に基地を提供し、米国は日本に対する防衛義務を負う」という双務的内容に変えた。 安倍首相はそこからさらにもう一歩踏み出し、集団的自衛権を行使することになった自衛隊が全世界で米軍を後方支援することを骨格とした米日防衛協力指針改定案に合意する予定だ。 これを通じて彼が目標にするものは、祖父である岸元首相が夢見た“対等な米日同盟”の完成だ。