登録 : 2017.05.22 00:48 修正 : 2017.05.22 12:01

OECD加盟国など分析 
韓国銀行の遅すぎる報告 
主要国は最低賃金引き上げなど 
家計所得増大に拍車

 所得不平等が経済沈滞のみならず政治不安につながっているという分析を韓国銀行が出した。2008年の金融危機以後、国際通貨基金(IMF)など主要国際機構は所得不平等が経済と政治に及ぼす影響を多角的に分析した研究結果を出していた点に照らしてみれば、多少遅すぎる報告だ。

所得不平等が経済成長に及ぼす効果=資料:韓国銀行//ハンギョレ新聞社
 韓銀は21日、毎週出している「海外経済フォーカス」に掲載された「主要国の家計の特徴と示唆点」という報告書で「金融危機以後、経済協力開発機構(OECD)加盟国をはじめとする主要国の家計所得、働き口、資産などの条件が悪化した」として「家計経済の萎縮は、経済成長および金融安定の基盤を悪化させ、政治的不安定も引き起こす恐れがある」と明らかにした。報告書は、主要国の家計の所得条件が悪化した理由として、技術進歩とサービス中心の産業構造変化、政府の消極的再分配政策を挙げた。

 報告書は「OECD加盟国の平均失業率は、未だグローバル金融危機以前より高い水準であるとされ、特に青年失業率が全体(失業率)の2倍程度高い」と指摘した。特に、金融危機以後に家計負債が大幅に増えて、家計の元利金償還負担が高まったと言及した。

 こうした診断は、国際通貨基金やOECDの既存の研究結果と概略一致する。これらの機構は、2008年危機の原因を振り返る多様な研究結果を通じて、所得不平等が金融の不安定性を高め、持続可能な経済成長を妨げていると主張してきた。特にこれらの機構は、セーフティネットの強化、福祉拡充、政府の積極的財政運用を通した所得再分配政策を骨格とする「包容的成長論」を強調している。さらには昨年の英国の欧州連合脱退(ブレグジット)決定や、米共和党の大統領選挙勝利につながった反移民・反グローバル化情緒の裏面には、深刻化した所得不平等があるという分析も相次いで出した。

 韓銀報告書は、主要国が所得不平等を減らすために推進している政策も紹介した。一例として、中国は2011~2015年に最低賃金を年平均13%ずつ引き上げ、日本も時間当り最低賃金を2011年の737円から2016年には822円に大きく上げた。フィンランドとオランダでは、すべての階層に所得水準にかかわりなく一定額を政府が支援する基本所得の導入も推進している点も報告書は強調した。

 この報告書には言及がないが、韓国経済もOECD加盟国で観察された流れから例外にはなれない。統計庁の家計動向調査結果によれば、昨年の物価上昇を反映した世帯当り月平均実質所得が前年より0.4%減るなど、家計所得の成長率は大幅に萎縮した状況だ。特に青年失業率は全体の失業率の3倍近く高い10%前後で推移している。

キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-05-21 18:59
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/795565.html 訳J.S(1329字)

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