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サムスンで続く社員に対する「希望退職」

登録:2016-01-21 00:00 修正:2016-01-21 06:16
サムスン電子//ハンギョレ新聞社

解雇要件緩和を既定事実化 
「今辞めた方が良い」と圧迫

 サムスン電子で昨年転換配置を名目に進行された構造調整が今年も続いている。

 20日、複数のサムスン電子役社員の話を総合すると、40~50代の社員が昨年に続き1月になってもグループ長やチーム長との面談を通じて退職の勧奨を受けている。 サムスン電子水原(スウォン)事業場で働くある50代の社員は「昨年、グループ長から会社を辞めるよう強要されたが、新年になっても相変わらず面談を通じて『退社するつもりがないのか』と言われた」と話した。

 特に面談の過程でまだ決まってもいない政府の政策を根拠に圧迫するケースもある。40代の社員は「チーム長が面談で『後になれば低成果者と評価されて希望退職金も受けとれずに退社することになりうる。いっそ今(退社)するほうが良い」として、退職を要求された」と話した。 さらに「希望退職金は次長級は2億2千万ウォン(約2100万円)、部長級は2億5千万ウォン(約2400万円)水準だが、受け取って辞めるなら今辞めた方が良いという言い方だ」と明らかにした。

 朴槿恵(パククネ)政権は一般解雇と就業規則変更要件の緩和を盛り込んだ「2大指針」の変更を推進している。 これに対して労働界では、会社側が「低成果者」というレッテルを貼り付けて労働者を容易に解雇できるという理由を挙げ反発している。 このような状況で指針の変更が確定して不利益を受けるかのように主張しているわけだ。

 退社するよう圧迫された社員は、現在仕事がなくただ出退勤だけしている実情だ。ある50代の社員は「業務決裁ラインから昨年下半期に外されて、コンピュータや本で業務関連知識を学んでいるだけだ。他の社員ともつきあえず一人で食事をしたり同じ境遇の人が三々五々集まって愚痴をこぼしている」と話した。 さらに「子供たちが大学に入って金が一番かかる時期に強制退職させられれば遠からず貧困層に転落するだろう。20年近く会社だけを考えて働いてきたのに、帰ってきたのは『辞めてほしい』という言葉だけだ」と話した。

 このような姿はサムスン電子ばかりでなく他の系列会社も同様だという。 サムスングループの建設系列会社で仕事をするある部長は「面談を通じて繰り返し退社圧力がある。もっと若い社員も面談を経て退社し(入社1~2年目なのに希望退職した)トゥサンインフラコアの事例が知らされて再入社したケースもある」と話した。

 これに対してサムスングループとサムスン電子は、昨年に続き今年も「人為的構造調整はしていない」という立場を繰り返した。

 一方、サムスンの主要系列会社の社長たちはこの日「民生救う立法要求一千万人署名運動」に参加した。 18日から民間企業としては初めてソウル瑞草(ソチョ)社屋の1階ロビーに用意された署名ブースで主要社長団会議に参加した社長たちが署名した。 労働界では、立法要求対象の一つである労働関係法が派遣対象を緩和し既存の正社員の仕事まで脅かすものだとして政府と財界の動きに反発している。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/727130.html 韓国語原文入力:2016-01-20 22:30
訳J.S(1432字)

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