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ウォン高“体感為替レート”で円との格差さらに拡がる

登録:2015-05-04 21:13 修正:2015-05-05 07:05
 交易量・物価を考慮した実質実効レート
 ウォン・円格差 2010年以後の最高水準
先月28日、ウォン・円為替レートが7年2カ月ぶりに100円当り800ウォン台に下落した後、ウォン・円為替レートは4日午後も898ウォン台を維持している。写真はソウルの中国外換銀行本店ディーリングルーム //ハンギョレ新聞社

 韓国ウォンの実質実効為替レートが大幅に上がっている。日本円のレートと実質実効レートの差が大きく拡がり、対日輸出競争力に悪影響を及ぼすという分析が出ている。

 4日、サムスン証券が国際決済銀行(BIS)の国家別実質実効為替レート資料を分析した結果によれば、3月の韓国ウォンの実質実効為替レートは113.46(2010年=100)であった。 2013年4月当時102.01であった数値が、2年間で11.2%も上がった。 実質実効為替レートは、外国為替市場で取引される一般的な為替レートに交易規模、最近の物価変動分まで考慮した一種の“体感為替レート”だ。 100を基準にして数値が高くなれば通貨価値が相対的に高い評価になったという意味だ。

 韓国ウォンの実質実効為替レートは世界的にも急速に上がっている。最近2年間、主要26カ国の中で実質実効為替レートが上がった国は7カ国に過ぎないが、韓国はこのうち4番目に高い上昇率を記録した。 中国の上昇率が14.3%で最も高く、米国(13.4%)、英国(12.8%)に次ぎ韓国が後に続いた。

 主要輸出競争国である日本との間隙が拡がった点が特に憂慮される。 3月現在で日本の実質実効為替レートは70.57と現れた。 ウォン・円の実質実効為替レートは、2012年中盤まで韓国ウォンが小幅に低かったが、2012年10月に韓国が100.70、日本が99.67を記録して逆転した。 安倍政権がスタートし、攻撃的通貨緩和政策を始めた時点だ。 日本はこの時から5カ月で実質実効為替レートが70台後半へ急落し、以後2年間に再び10%以上下落した。

 反面、韓国は上昇基調が崩れず2年間で日本との格差が大きく拡がった。 ハナ金融経営研究所チャン・ポヒョン室長は「日本円は切り下げ、韓国ウォンは切上げ傾向であるから、韓国経済が対日交易で困難を来さざるをえない」としつつも「最近はウォン・円為替レートが交易に及ぼす影響が縮小する傾向を示している。 この場合、企業が非価格競争力を強化する必要がある」と話した。

 一方、100円当り898ウォン台(韓国外換銀行4日午後3時告示基準)を維持しているウォン・円為替レートがさらに落ちる(円安・ウォン高)場合、韓国の株式市場と企業の一株当り純利益に大きな悪影響を及ぼすという分析も出てきた。NH投資証券はこの日、報告書で今年第2四半期の平均ウォン・円為替レートが835ウォンに下落すれば、韓国全企業の一株当たり純利益が5.5%減少すると見通した。 韓国銀行が金利を凍結し、日本銀行が追加量的緩和を行う場合を前提とした。 また、有価証券の市場指数も2010まで下落する可能性があると展望した。 逆にウォン・円為替レートが100円当り1000ウォンまで上昇すれば株価が2300を突破することもありうると展望した。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/689737.html 韓国語原文入力:2015-05-04 19:47
訳J.S(1365字)

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