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韓国碁院、事前準備なくアルファ碁との対局を承諾

登録:2016-03-16 22:56 修正:2016-03-17 06:00
ソフトの情報も得ず対局に臨むことに 
財団法人韓国碁院//ハンギョレ新聞社

社会的に大きな波紋を呼ぶ問題 
中国大会後休みも取れず 
天才一人にすべて任せる 
李九段「二度とこのような対局はしたくない」

 「プロ碁士として、二度とこのような対局はしたくない。自分が決めたことだから、耐え抜いただけだ」

 人工知能アルファ碁との5番勝負を1勝4敗で終えた李世ドル(<イセドル>ドルは石の下に乙)九段が、あるメディアとのインタビューで明らかにした苦悩は、アルファ碁が彼に残した復碁の課題だ。今回の対局では、人間李世ドルの闘魂と執念の勝負という側面と共に、大きな問題を決定する際に、マニュアルも持たず、感覚だけを頼りに決定し、後になって頭を抱える韓国社会の弱点も露呈した。

 キム・マンス八段は「グーグルが対局を提案したとき条件をよく確かめるべきだった。相手の情報も持たず、二つ返事で受け入れたが、全く予想できなかった状況が繰り広げられた。李世ドル九段も(下手に)指導碁を5回ほど施すと思っていたが、苦戦を強いられ慌てただろう」と話した。アルファ碁と対局の直前に中国で開かれた農心盃囲碁大会で3勝1敗を記録し、疲れ切った李九段が回復の時間もなくアルファ碁と対戦したことも、用意周到とはかけ離れていた。人工知能業界では、以前からコンピュータが人間の高段者を倒すと予想されていたが、囲碁界では全くそのような事情が把握できていなかった。

 李世ドル九段の個人能力と影響力が大きい状況で、韓国碁院が主導的に彼の対局日程を管理したり、関連情報を要請するには限界があった。しかし、今回の対局が呼んだ社会的波紋を考えると、今後、韓国碁院が重要な意思決定を行う際には、マニュアルを用意し、それに応じてことを進めなければならないと指摘されている。

 プロ碁士たちは、アルファ碁が打った第1〜5局の棋譜を研究する課題を抱えることになった。キム・マンス八段は「アルファ碁が打った手の中には、従来の正解や真理を破る画期的な手が多かった。韓国と中国の若い碁士たちが集団的に知恵を絞らなければならない状況だ。過去のように一人の天才が囲碁界を主導する状況からの脱却が始まったかも知れない。アルファ碁が新しい課題を投げかけた」と話した。

 既に製薬会社など5〜6社からの広告(CF)出演の要請を受けている李世ドル九段は、当分の間、休みに入るが、30日に行われるマキシム杯入神最強戦の準々決勝で復帰する。マキシム杯の準々決勝で対戦するキム・ジソク九段はどっしりとした攻撃型の碁士で、素早く打開していく李九段と“矛と盾”の対決を予告している。韓国碁院の関係者は、「アルファ碁との対局以降、初めての戦いなので、ファンの注目を集めている。李九段がさらに成熟した姿で対局する可能性がある」と語った。

キム・チャングム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-03-16 19:49

https://www.hani.co.kr/arti/sports/baduk/735297.html 訳H.J

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