対戦は決まっていないが
グーグル「人工知能がゲームトレーニング強化中」
瞬発力・マイクロコントロール能力を要求
ゲーム条件により勝敗が分かれる
「リーグ・オブ・レジェンド」にしないのは
中国に対するグーグルの反感のためか
李世ドル（＜イセドル＞ドルは石の下に乙）九段とアルファ碁の対決が世界の注目を集める中、アルファ碁の次の相手とされるスタークラフト高段者との対決にも関心が集まっている。スタークラフトは1998年に米国のブリザード・エンターテイメントが発売したリアルタイムストラテジーコンピューターゲームで、インターネットを利用した対戦で世界ゲーム市場を席巻した。韓国ではインターネットカフェを流行らせ、プロゲームリーグが発足するきっかけとなった。
ただアルファ碁はスタークラフト高段者との対決をまだ決めていない。グーグルリサーチグループのジェフ・ディーン上席研究員が9日、ソウルのフォーシーズンズホテルで開かれた記者会見で「グーグルディープマインドチームがゲームをテストベッドとして人工知能訓練を強化しており、スタークラフトに適用する方策でも悩んでいると聞く」と語ったことで、まるでスタークラフトが次の相手に決まったかのようにマスコミで報じられた。
グーグルがこの対決を正式に推進したとしても、実際の勝負が成立するまでには相当な時間がかかるものとみられる。今回の囲碁対決の本質はアルファ碁の「フィールドテスト」と言える。グーグルは李九段との対局を通じ、アルファ碁という名で開発した人工知能プログラムの性能がどの程度なのか、隠されているバグ(誤り)はないか、どんな環境で弱点が露呈するのか、そして弱点が見つかった時、どんな行動を見せるかなどを把握しようとした。そして李九段が13日に開かれた第4局でアルファ碁の弱点を見つけ出したことで、グーグルは今度の対決を通じて本当に得たかったものを手にした。
しかしその結果、他の分野の高段者とのフィールドテストの進行は相当期間、不透明になった。グーグルとしては、李九段が見つけ出したアルファ碁の弱点の実体や原因を究明するのが急務だ。弱点の致命性のレベルや補完可能性の有無に応じ、アルファ碁は“大手術”を受ける恐れもある。
だとしてもアルファ碁がスタークラフト高段者と対決したら、いったいどちらが勝つだろうか。
ゲーム業界関係者らは、今のプロゲーム方式で対決が行われれば人間が勝つ可能性が高いと断言する。スタークラフトは囲碁に劣らず「多くのケースの手」に関する計算能力ばかりか、キーボードとマウスを精巧に描ける操作(マイクロコントロール)能力が同時に要求される。勝負のカギは、戦略の判断とそれを実行するキーボード・マウス操作をリアルタイムで一度にできるかにかかっている。トップクラスのプロゲーマーたちは、熾烈な戦闘を行う時、秒当たり数10回キーボードとマウスをクリックする。
イ・ユンヨル、イム・ヨハン・、ホン・ジンホなどスタークラフト高段者たちはSNSなどを通じて自信を示している。1世代プロゲーマーに「天才テラン」と呼ばれた元プロゲーマーのイ・ユンヨルは「挑戦があれば当然受け入れる。人間の瞬間の対処能力とプロゲーマーとして蓄積した戦略ノウハウは、コンピューターにはついていけない。それにロボットの腕がコントロールするやり方なら、練習で身につけた人間のコントロールが勝る」と自信を示した。元プロゲーマーのイム・ヨハンも「人工知能が多くのデータとある程度の直観を備えたとしても、プロゲーマーのレベルには及ばないだろう」とした。ソフトウェア政策研究所のチュ・ヒョンソク上席研究員は「スタークラフトのゲームは刻々と変化していくため、人工知能がリアルタイムでいちいち対応することは容易ではなさそうだ」と指摘した。
ただ、アルファ碁がロボットアームでキーボードとマウスを操作する方法をとらないなら、結果が変わる可能性があるという反論も出されている。NCソフト関係者は「人間はユニットを数個しかコントロールできないのに対し、人工知能は数千のコンピュータを使って50~60くらいを同時に操作できる。物理的操作をする方式でなければ人間の勝利は確信できない」と話した。
一方、最近のゲーム市場では「リーグ・オブ・レジェンド(LOL)」が大勢なので、なぜアルファ碁の相手にスタークラフトが取り上げられているのか様々な憶測を呼んでいる。あるゲーム業者関係者は「LOLを開発した会社が中国のライオットゲームズであるためではないか」と語る。中国に対するグーグルの反感が反映されているというのだ。
韓国語原文入力：2016-03-14 22:14
