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韓国の放送通信委員長、またもや弾劾直前に辞任…7カ月の間に立て続けに

登録:2024-07-03 06:04 修正:2024-07-03 07:27
2日、弾劾案本会議報告の前に辞意表明 
尹大統領、またもや「直ちに裁可」 
放送通信委員会の「2人議決体制」維持する意向示す
キム・ホンイル放送通信委員長が2日午前、退任式を終えた後、政府果川庁舎を後にしている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 キム・ホンイル放送通信委員長が突如辞任した。前任のイ・ドングァン委員長に続き、「2人放送通信委員会」で放送・メディア分野の主要議決を進め、 国会で弾劾訴追案が発議されたことを受け、職務停止を避けるために先に退く形が7カ月間隔で繰り返されたのだ。

 キム委員長は2日午前に辞意を表明し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は直ちにこれを裁可した。後任にはイ・ジンスク前大田文化放送(MBC)社長が有力視されている。キム委員長の辞任は、弾劾を逃れた後、直ちに後任者を任命することで違法だという批判にもかかわらず、放送通信委員会が「2人体制」の議決を強行するという意志の表れといえる。

 キム委員長は同日、政府果川(クァチョン)庁舎で開かれた退任式に出席し、「(辞任は)巨大野党の弾劾訴追という昨今の事態によって、国民の日常に大きな影響を及ぼす放送・通信・メディア政策が長期間停止する憂慮すべき状況を防ぐ唯一の方法だ」と述べた。さらに、委員長弾劾の試みは「私に対する職務停止を通じて放送通信委員会の運営を麻痺させようとする政治的目的によるもの」とも語った。

 尹錫悦大統領が任命した放送通信委員長が自ら辞任したのは今回で2度目だ。昨年12月1日、イ・ドングァン委員長が自身に対する弾劾案の国会本会議表決を控えて辞任しており、12月29日にその後任に任命されたキム・ホンイル委員長も6カ月で「弾劾訴追前の辞任」を選んだ。これに先立ち、共に民主党など野党5党は先月27日、キム委員長が「2人体制」の議決を強行し放送通信委員会を違法に運営したとして、弾劾案を発議した。弾劾案が可決されれば、憲法裁判所が決定を下すまで委員長の職務が停止される。

昨年12月1日、イ・ドングァン放送通信委員長(当時)が退任式を終えた後、政府果川庁舎を後にしている/聯合ニュース

 キム委員長は弾劾案発議翌日の28日、「文化放送(MBC)」の筆頭株主「放送文化振興会」など公共放送理事選任計画を議決し、4日後に辞任した。野党主導で公共放送の支配構造改編のための「放送3法」立法が進められている中、放送通信委員会も8月に任期が満了する放送文化振興会理事の交代作業に急いで着手した。イ・ドングァン委員長が基盤を整えた「YTNの民営化」をキム・ホンイル委員長が完了したように(2月7日)、放送文化振興会理事の交代も後任の放送通信委員長が仕上げる構えだ。

 全国言論労働組合(言論労組)のユン・チャンヒョン委員長は同日、言論掌握阻止共同行動の記者会見で、「国務委員級の機関長のポストを『放送掌握』のいけにえに捧げてでも目的を果たすという政権の意地に恐ろしさを覚える」とし、「現政権の行動は、放送法を改正すべき理由を自ら示している」と述べた。

パク・カンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/1147398.html韓国語原文入力:2024-07-02 19:59
訳H.J

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