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尹錫悦、憲法裁の決定に服さず支持層結集メッセージ…民主「容認できない扇動」

登録:2025-04-06 23:45 修正:2025-04-07 09:27
尹錫悦前大統領が先月8日午後、京畿道義王市のソウル拘置所から釈放され、支持者たちにあいさつしながら歩いている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領は6日、自身の弾劾に反対してきた市民団体「国民弁護団」について、「国の厳しい危機状況に気づき、自由と主権を守るために戦った皆さんの道のりは、大韓民国の偉大な歴史として記録されるだろう」とたたえた。大統領職罷免から3日目のこの日もソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸からの退去を先送りし、支持層結集メッセージを発したことに対し、野党「共に民主党」は「憲法裁判所の決定に服さない行いであり、容認できない扇動」だとして、尹前大統領の再拘束を求めた。

 4日の憲法裁判所による罷免決定の直後に発した「皆さんの期待にこたえられず、とても残念で申し訳ない」というメッセージに続く、尹前大統領の2度目のこの日の公式メッセージにも、罷免決定に従うとの文言や12・3非常戒厳宣布についての謝罪はなかった。一方で尹前大統領は「私は大統領職を退いたが、いつも皆さんのそばにいる。頑張りましょう」と国民弁護団に感謝の意を表した。「お一人お一人の国への熱い愛に自然と涙が出た。若者の皆さんが勇気を失わない限り、私たちの未来は明るいだろう」とも述べた。自身の支持者が非常戒厳を大統領の「統治行為」だとして正当化したことを、「偉大な歴史」だとたたえたのだ。

 民主党は尹前大統領のこのような態度を強く批判するとともに、再拘束を主張した。国会法制司法委員会の幹事を務めるパク・ポムゲ議員はフェイスブックで、「容認できない扇動」だとして、「直ちに内乱首魁(しゅかい)の尹錫悦を再拘束すべき理由はここにある。法司委の幹事として最善を尽くす」と述べた。キム・ヨンミン議員もフェイスブックで、「(尹前大統領の内乱罪容疑の裁判の裁判長を務める)チ・グィヨン(ソウル中央地裁)判事による拘束決定」と「公捜処(高位公職者犯罪捜査処)などの捜査機関による令状請求」を「尹錫悦の拘束方法」だと述べた。ファン・ジョンア報道担当は書面ブリーフィングで、「内乱首魁である尹錫悦がまたも極右勢力の扇動を画策した」として、「憲法裁の決定に服さないものであり、嘲笑としか思えない。内乱首魁の厚顔無恥さに憤りを感じる」と述べた。

尹錫悦前大統領が4日の憲法裁判所による罷免言い渡し後も依然としてソウル龍山区の大統領官邸にとどまっている中、6日午後、官邸警備哨所の後ろにトラックが止まっている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 尹前大統領はこの日も官邸退去の日程を発表しなかった。尹前大統領側は「整理し、準備することが多い」と述べた。大統領警護処も「まだ退去計画が通知されていない」と語った。前職大統領の官邸退去時期については規定がない。ソウル瑞草区(ソチョグ)のマンション「アクロビスタ」が自宅だが、尹前大統領は罷免当日の4日に、「ペットの犬の問題、プライバシーがさらされる問題、警護などを考慮して、別の閑静な場所をあたっている」と、官邸に自身を訪ねてきた与党指導部に語ったという。尹大統領は4日に「党を中心に大統領選挙の準備をしっかりして、必ず勝利することを願う」と述べたのに続き、5日には弾劾反対を積極的に主張してきたナ・ギョンウォン議員を官邸に招き、感謝の意を伝えたという。

 尹前大統領の居住地の確定や警護準備などを考慮すると、官邸退去は今週半ばか後半ごろになるものとみられる。ファン・ジョンア報道担当は「罷免された尹錫悦が、どうしていまだに『大統領官邸』の主のようにふるまっているのか」と批判した。

イ・スンジュン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1190984.html韓国語原文入力:2025-04-06 17:17
訳D.K

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