本文に移動

韓国の放送通信委員長の辞任に野党が強く反発…「放送掌握の国政調査を推進」

登録:2024-07-03 06:02 修正:2024-07-03 07:14
野党7党共同で国政調査要求書を提出
共に民主党のパク・チャンデ党代表職務代行兼院内代表が2日午後、国会で開かれた議員総会で発言をするために壇上に上がり「姑息な辞任キム・ホンイル糾弾!」と書かれたプラカードを立てている/聯合ニュース

 キム・ホンイル放送通信委員長が2日、弾劾訴追案の国会本会議報告を控えて辞任したことを受け、野党「共に民主党」は「弾劾を避けるための姑息な辞任」だとして、強く反発した。民主党は弾劾計画が失敗に終わったことを受け、他の野党6党とともに「放送掌握に関連した国政調査」を進めることにした。

 民主党のパク・チャンデ院内代表は党院内対策会議で、「放送掌握クーデターを企てたキム委員長は、弾劾を避けるために『姑息な辞任』をした」とし、「堂々とクーデターをしようとしておきながら、自分が処罰されるのを恐れたのか」と述べた。「違法な2人体制議決」などを理由に先月27日にキム委員長の弾劾案を他の野党と共に発議した民主党はこの日午後、本会議でこれを報告する予定だった。弾劾案は本会議報告から24~72時間以内に表決し、在籍過半数(151人以上)の賛成で議決される。民主党の議席(170議席)だけでも弾劾が可能だったが、キム委員長が辞任したため、実現しなかった。

 これに対し、民主党は祖国革新党、進歩党、社会民主党など他の野党6党と共に「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の言論掌握および統制真相究明のための国政調査」要求書を国会に提出した。国政調査の対象には、放送通信委員会2人体制問題はもちろん、パク・ミン韓国放送(KBS)社長の交替、YTNの民営化、放送通信審議委員会の「セルフ審議」疑惑などが含まれた。

 当初民主党は、尹錫悦大統領がキム委員長の辞意表明を直ちに受け入れて免職した後も、国会法制司法委員会の調査を実施する方針を示した。国会法(第130条)によると、弾劾案が本会議に報告されれば、本会議の議決で法司委に付託し、関連調査を行うことができる。キム委員長が辞任しても法司委を通じた国政調査レベルの調査が可能だというのが民主党の主張だった。だが、国会立法調査処と国会議長室が「放通委員長職を辞任した状況で、それらの手続きを踏むことは不可能」という解釈を出したことで、国政調査へと方向を変えた。

 民主党のユン・ジョングン院内報道担当は「イ・ドングァン前放送通信委員長に続き、キム・ホンイル委員長も逃げる形で、あらゆる不法不当なことをしておきながら弾劾訴追案が発議されると辞めるという事態が繰り返されている」とし、「(このようなことが)再発しないよう防止策を模索する」と語った。ウ・ウォンシク国会議長も同日の本会議で、「弾劾訴追対象者が国会表決を控えて辞任するのは、憲法が立法府に弾劾訴追権を与えた意味とそれに伴う手続きを無視する行動だ」とし、「キム委員長の辞任に深刻な懸念を示し、不適切な辞任を受理した政府にも強い遺憾の意を表する」と述べた。

 尹大統領はこの日、国政に空白が生じないように(放送通信委員長の)後任の人選の手続きもうまく進めるよう指示した。尹大統領が後任の放送通信委員長候補を指名すれば、8月に任期が満了する放送文化振興会(文化放送(MBC)の筆頭株主)とKBSの理事陣を入れ替えることができる。民主党にはこれを阻止するこれといった方法がないものとみられる。公共放送の支配構造改編が主軸である「放送3法」(放送法・放送文化振興会法・韓国教育放送公社法改正案)と、4人以上の委員がいなければ放送通信委員会の会議を開けるないようにした放送通信委員会法改正案を国会で議決しても、尹大統領が拒否権を行使する可能性が高い。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1147445.html韓国語原文入力:2024-07-02 22:14
訳H.J

関連記事