韓国政府は16日、福島原発事故の汚染水を処理する多核種除去設備(ALPS)で最近まで10年間、計8回の故障が発生したと明らかにした。
パク・クヨン国務調整室国務第1次長は同日、政府ソウル庁舎で行った「福島原発汚染水海洋放出に関する定例会見(毎日実施)」で、ALPSと関連し、「2013年6月に設置して以来、昨年7月まで8回の故障があったことは視察団が資料を要請して受け取った内容であり、事実だ」と述べた。政府が構成した福島原発汚染水視察団は、先月31日、活動結果報告でALPSの主な故障事例や措置事項などの資料を確保し精密分析していると明らかにした。
原子力安全委員会のシン・ジェシク放射線防災局長は、故障の具体的な類型と位置に対する質問に「腐食が2013年と2014年に2件あった。フィルター関連では2014年から2020年まで4件、2021年度に1件、(昨年)定期点検の時も1件あった」と答えた。
ALPSで最近まで故障が発生したことは、ALPSが長期間にわたり安定的に運営されるかについて徹底した検証が必要だという主張を裏付けている。これに関してパク国務第1次長は「視察団が詳細資料を受け取って分析を行っており、これに加えて定期点検の項目や設備維持管理計画などもさらに確保し、ALPSが長期間にわたり安定的に運営される可能性がどれくらいあるかについて詳しく分析している」とし、「結果は最終報告書発表の際に含まれる計画」だと語った。
同日の定例会見でソン・サングン海洋水産部次官は、汚染水が海洋放出されれば福島を含む近隣8県の水産物輸入禁止措置も解除されるという一部の懸念について、「水産物の輸入禁止措置は原発汚染水の海洋放出問題とは全く違う問題」だと述べた。
2011年の福島原発事故による大規模な放射性物質流出以後、韓国政府は福島を含む近隣8県の水産物に対して輸入禁止措置を取ってきた。ソン次官は「福島付近で基準値以上の放射能に汚染された水産物が今のように発生する限り、絶対に(当該地域の)水産物の輸入はしない。福島地域が放射能から安全だと科学的に立証され、国民が安全だと感じるまで、政府は輸入禁止の解除を検討しない」と述べた。
一方、政府の汚染水関連の定例会見について、マスコミと野党などから日本政府を代弁するものだと指摘されていることについて、パク国務第1次長は「定例会見を始めた目的は国民により正確な情報を伝え不安を解消するため」だとし、「そのような目的なら、こうした定例会見はできるだけ多くの形で繰り返し行うのが良いと判断した」と述べた。