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北朝鮮軍高官「まもなく軍事偵察衛星1号打ち上げる」…敵対行為への自衛力と主張

登録:2023-05-31 06:44 修正:2023-05-31 07:30
2月8日夜、平壌の金日成広場で開かれた「建国記念日75周年軍事パレード」で、リ・ビョンチョル朝鮮労働党中央軍事委副委員長が金正恩労働党中央軍事委員長に敬礼する姿/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮のリ・ビョンチョル朝鮮労働党中央軍事委副委員長は、「包括的かつ実用的な戦争抑止力の強化活動をより徹底した実践で行動に移す」とし、「軍事偵察衛星1号機」を「まもなく6月に打ち上げることになる」と明らかにした。「朝鮮中央通信」が30日付で報じた。これに先立ち、国際海事機関(IMO)の世界航行警報業務で韓国と北朝鮮を含む区域の調整を担っている日本は29日、北朝鮮が31日から6月11日の間に人工衛星を打ち上げると通告してきたと明らかにした。

 リ・ビョンチョル副委員長は「朝鮮中央通信」を通じて「米国とその追従勢力の軍事的敵対行為により、朝鮮半島地域の情勢が厳しさを増していることについて、自衛力強化の立場を表明」し、このように述べた。リ副委員長の「自衛力強化の立場」は同日の「労働新聞」には掲載されなかった。

 リ副委員長は「朝鮮半島における米核戦略攻撃手段の展開、米国と南朝鮮の様々な合同演習、米軍の空中偵察行為」が「朝鮮半島の安保環境の現状を示す集約版」だとしたうえで、「敵の軍事行動の試みをリアルタイムで掌握できる信頼性の高い偵察情報手段の確保が最も急がれる任務」だと述べた。

 さらに「まもなく6月に打ち上げられるわが軍の偵察衛星1号機と、新しくテストする予定の多様な偵察手段は、米国とその追従武力の危険な軍事行動をリアルタイムで追跡・監視・判別し、事前に抑止するとともに備え、共和国の軍事的準備態勢を強化する上で必要不可欠」だと強調した。また「我々は偵察情報手段を拡大し、様々な防衛および攻撃型武器を更新していく必要性を不断に感じており、その発展計画を実行していく予定表を持っている」と付け加えた。

5月16日、金正恩国務委員長が軍事偵察衛星1号機の打ち上げに向けた非常設打ち上げ準備委員会の事業を現地指導する姿/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 特に注目すべきなのは、リ副委員長が「最近、米軍の朝鮮半島と周辺地域に対する敵対的な空中偵察活動が類を見ないレベルで行われている」とし、北朝鮮だけでなく中国まで「深刻な脅威」を感じていると言及した点だ。リ副委員長は「米軍の空中偵察資産の作戦半径と監視権は、首都平壌(ピョンヤン)を含む共和国西北部地帯はもちろん、周辺国家の中心地域と首都圏まで包括しており、これは朝鮮民主主義人民共和国と周辺国家にとって深刻な脅威になっている」と述べた。ここで「周辺国家」とは中国を指す。

 北朝鮮高官が米国に対する見解を明らかにし、中国の安保上の懸念に触れたのは非常に異例のことだ。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1093783.html韓国語原文入力:2023-05-30 09:35
訳H.J

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