16日、駐韓日本大使館の主催によりソウルで開かれた天皇誕生日行事で、初めて日本の国歌「君が代」が演奏されたと「産経新聞」が報じた。
駐韓日本大使館は同日午後、ソウルのあるホテルで、徳仁天皇の誕生日(2月23日)祝賀レセプションを開き、国内の関係者を招待した。産経新聞は、同行事で韓国の国歌である愛国歌と共に「君が代」が流れたとし、「日本政府は韓国での反日感情の強さから例年、国歌を流すことは見送ってきた。昨年発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が対日関係の改善を目指す中、日本政府もいびつな両国関係を脱却する好機と判断した」と報じた。
日本大使館の関係者は、これまで行事で「君が代」を流さなかったことについて、「出席者に負担をかけないよう配慮してきたが、過度な面もあった」とし、「大使館主催の行事で国歌の演奏は自然なことであり、日韓関係改善の流れの中、今回、『あるべき姿にする』として、韓国国歌とともに君が代を流すことを決めた」と説明した。
日本が過去の植民地支配に対してまともに反省していない状況で、ソウルの真ん中で「君が代」がはばかりなく流れることをめぐり、議論が予想される。特に「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」という歌詞の一節は、永遠の天皇の治世を祈願する日本の軍国主義を象徴するという批判が出ている。
韓国で天皇誕生日祝賀レセプションが開かれたのは、新型コロナウイルスの影響などにより2018年12月以来4年3カ月ぶり、徳仁天皇が2019年5月に即位してからは初めて。この日のレセプションには、外交部からイ・ドフン第2次官が出席し祝辞を述べた。一方、会場のホテルの前で抗議デモを行う市民団体もあった。団体のホン・ジョンシク代表ら5人はホテルの正門で「ソウルの真ん中での天皇誕生日パーティーを中止せよ」という内容の横断幕を掲げ、塩と唐辛子粉をかけるなどの行動を取った。