原文入力:2011/11/29 19:03(1050字)
日本第2の経済圏域である大阪地域をめぐる‘橋下風’が興味深い。先日の大阪市と大阪府の市長・知事ダブル選挙で‘大阪維新会’の40代の橋下徹(42)と無名政治家だった彼の側近松井一郎(47)が圧勝した。与党の民主党と、自民党に共産党まで反橋下の旗を上げたが、効果はなかった。 既成政党が秋風による落葉のように力をまともに発揮できないまま倒れたのが今回の選挙で最も注目しなければならない特徴の一つだ。
橋下勝の背景には働き口がないという庶民の不満と政治的リーダーシップの不在を心配する大衆の不安心理がある。 こういう不満と不安を落ち着かせ希望を持たせる力が既成政党にはないのに橋下にはあるように映った。橋下の高い人気は彼が前面に出す政策のおかげというよりは彼のみが持つように見える‘突破力’だという指摘が多い。 日本の有権者が心配するのは浮上する中国などのアジアに比べた日本の沈滞だ。 今回の選挙でも有権者は‘大阪、いや日本はこのままで良いのか’、‘変えられるか’を問うた。 優れた弁舌と論理を持ったタレント気質の弁護士の彼はそのようにすると約束した。
一部では‘橋下が好きか嫌いか’で敵味方に分けるような単純な争点を掲げた今回の選挙を、改革か反改革かの二者択一式選択を強要した小泉の‘劇場式政治’に比喩したりもする。 ここには大騒ぎするばかりで実際には何も変えられずにかえって沈滞を加速させただけという小泉式‘不毛の興奮’、ポピュリズムに対する警戒もある。
既成政治に対する不満と将来に対する不安を背景にしている橋下風は最近、安哲秀(アン・チョルス)風が激しい韓国の状況とも似ている点がある。 しかし2人は根本的に違う。 中国を警戒しながら日本の核保有を主張し、公立学校行事の際に軍国日本の象徴である君が代を起立斉唱させて、従わない教師や学生たちを処罰する条例まで制定した橋下には極右民族主義の臭いが充満している。 私たちが心配するのも、まさにこの部分だ。 すでに石原慎太郎・東京都知事など保守右翼政治家たちと大阪維新会が一つになる新党説も流れている。 長期沈滞の後に日本が選択しようとする突破口が極右民族主義ならばそれは日本にも周辺アジアにも最悪だ。
原文: 訳T.W