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尹錫悦大統領が25日午前、ソウル龍山の大統領室庁舎の地下にある国家危機管理センターで北朝鮮のミサイル発射に関する国家安全保障会議（NSC）を開いている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

　北朝鮮は25日午前、東海（トンヘ）上に大陸間弾道ミサイル（ICBM）と短距離弾道ミサイル（SRBM）などミサイル3発を発射した。韓米首脳会談が行われてからわずか4日後のことであり、尹錫悦（ユン・ソクヨル）政権発足後、2回目の武力挑発だ。尹大統領が米国のジョー・バイデン大統領との会談を通じ、強力な同盟防衛と拡張抑制など北朝鮮に対する強硬姿勢を明らかにした後、北朝鮮が武力誇示で緊張を高めたことにより、尹大統領は朝鮮半島のリスク管理という課題に本格的に向きあうことになった。

　合同参謀本部はこの日、午前6時、6時37分、6時42分に北朝鮮が平壌（ピョンヤン）の順安（スナン）一帯から東海上に発射した弾道ミサイル計3発を確認したことを明らかにした。尹大統領は、午前7時35分にソウル龍山（ヨンサン）の大統領室で、就任後初の国家安全保障会議（NSC）を開き、北朝鮮のミサイル発射を「国連安保理決議違反であり、朝鮮半島と北東アジアの緊張を高め、国際平和を脅かす重大な挑発」だと規定した。尹大統領は「韓米首脳間で合意した拡張抑制の実行力と韓米連合防衛態勢の強化など、実質的な措置を履行することを指示した」と大統領室は明らかにした。

　政府はその後、別の声明を出し、「北朝鮮の続けての挑発は、よりいっそう強力かつ迅速な韓米連合抑制力に帰結するだけであり、北朝鮮の国際的な孤立を自ら招くだけ」だとし、北朝鮮を圧迫した。北朝鮮のミサイル発射に対応し、同日午前、韓国軍は玄武2地対地ミサイルを、米軍は陸軍戦術短距離地対地ミサイル（ATACMS）を1発ずつ東海上に発射した。

　大統領室は、北朝鮮が韓米首脳会談と米日首脳会談（23日）の直後にミサイルの発射実験を行ったことを、「韓米同盟に対する同時威嚇」と規定した。北朝鮮が長距離ミサイル1発と短距離ミサイル2発を立て続けに発射したことを、米国本土と韓国、在日米軍基地までのすべてを射程距離内に収めた挑発とみなしたのだ。キム・テヒョ国家安全保障室第1次長は記者会見で、「歴訪を終えたバイデン大統領が自国の領空に進入する時間にあわせて挑発を始めたのは、韓国と米国に同時に投げた戦略的メッセージ」だと述べた。

　安全保障分野の側近らは、相次いで米国と日本の関係者と接触し、首脳会談で明らかにした「強力な安全保障同盟」を浮上させた。パク・チン外交部長官はアントニー・ブリンケン国務長官と、イ・ジョンソプ国防部長官はロイド・オースティン国防長官と電話で会談し、新規の国連安保理の北朝鮮に対する制裁決議案の採択のための協力▽追加の挑発に備えた米国の戦略資産の展開▽韓米高官級による拡張抑制戦略協議体（EDSCG）の早期開催などを論議した。パク長官は日本の林芳正外相とも電話で会談し、北朝鮮の弾道ミサイル発射を糾弾した。

　問題は、北朝鮮が今後、7回目の核実験に加え、武力行動の水準を引き上げる可能性が高いという点だ。キム第1次長は、北朝鮮が豊渓里（プンゲリ）などで7回目の核実験のための核起曝装置の試験を行っているのを確認したとし、「最後の準備段階が近づいている段階」だと述べた。

　尹大統領は23日、米国CNNのインタビューで、「現政権の対応は過去の政権とは異なる」と述べ、北朝鮮の挑発に対する強力な対応方針を明らかにしたが、この日の対応レベルは、過去の政権の対応の範囲を脱しなかった。朝鮮半島の緊張レベルを極端に引き上げないのは、北朝鮮を抑制できる実質的な手段が多くないためとみられる。キム第1次長は「今日は比較的抑制され相互緊張を高めない局面で可能なメッセージを送ったが、今後は挑発の様態によっては、追加措置を検討する」と述べた。