釜山(プサン)のある生活治療センターで治療を受けていた50代の新型コロナウイルス感染症の患者が死亡しているのが発見され、警察が捜査を開始した。
釜山市と警察は4日、今月1日午後3時23分ごろ、釜山鎮区(プサンジング)のある生活治療センターで治療を受けていたLさん(51)が入所室で倒れているのが発見されたと発表した。Lさんは先月24日にコロナ陽性判定を受け、翌25日からセンターに入所し治療を受けていた。
センターの医療スタッフはこの日、Lさんと連絡がつかなかったため、Lさんの状態を見るため入所室を訪れたところ、倒れているLさんを発見し、心肺蘇生を試みるとともに救急車を呼んだ。Lさんは近くの大学病院に運ばれたが、死亡が確認された。
遺族は、高血圧や糖尿などを患っていたLさんの病状がセンター入所後に悪化していたにもかかわらず、医療スタッフがLさんを放置したため死亡したと主張している。遺族は、Lさんが「みぞおちや胸の痛みを家族に訴えていた。病院で治療を受けたいと言っていたのに、センター側がこれを黙殺した」と主張しているという。
釜山市保健衛生課は、「感染者が要求すれば、大方は医療機関に移送する。Lさんが病院で治療を受けたいと言ったということは、センター日誌などには記録されていないようだ。関係者に事実関係などを聞いている」と述べた。
警察はLさんの遺体を解剖し、正確な死因を調べる方針だ。警察の関係者は「死亡したLさんはコロナ感染者なので、(解剖までには)日にちが少しかかりそうだ。陰圧施設がある国立科学捜査院の本院と日程を調整している」と述べた。