日帝強占期の強制労働(徴用)に対する被害賠償を無視する日本の三菱重工業が、韓国司法による資産売却命令を不服として抗告した。
大田(テジョン)地裁は20日、強制労働の被害者ヤン・クムドクさん(92)とキム・ソンジュさん(92)が起こした商標権・特許権特別現金化(売却)命令申立て事件で、資産売却を命じた大田地裁民事28単独のキム・ヨンチャン部長判事に対し、三菱重工が即時抗告状を提出したと発表した。抗告事件は大田地裁民事控訴3部(イ・ヒョソン裁判長)と民事控訴4部(キム・ユンジョン裁判長)がそれぞれ担当する。
キム・ヨンチャン部長判事は先月27日、差し押さえられた三菱重工の約5億ウォン(約4870万円)相当の債権(商標権・特許権)の売却を命じた。この決定によって、ヤン・クムドクさんら強制労働被害者が要請すれば、三菱重工の韓国内資産である商標権と特許権が売却できるようになった。強制労働被害者が提起した差し押さえ命令申立てが裁判所で受け入れられた例はこれまでにもあったが、特別現金化命令申立てが受け入れられたのはこれが初めて。
韓国最高裁は2018年11月29日、ヤンさんら原告に対して1人当たり1億~1億5000万ウォン(約975万~1462万円)の慰謝料を支払うことを命じる判決を三菱重工に下したが、三菱重工側は「賠償問題は1965年の韓日請求権協定で解決済み」との態度を崩していない。これに対してヤンさんらは、日本の戦犯企業である三菱重工が韓国で所有する商標権2件と特許権6件に対する差し押さえを申し立てていた。