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[社説]岸田新総裁選出、韓日関係リセットの契機にしよう

登録:2021-09-30 07:23 修正:2021-09-30 08:12
自民党の岸田文雄新総裁が29日、総裁選で勝利した後に手を振っている=東京/EPA・聯合ニュース

 2015年の韓日政府間での「慰安婦」合意を主導した自民党の岸田文雄前政調会長が、日本の第100代首相になる。29日、日本の自民党総裁選で党内主要派閥の支持を得た岸田前政調会長が、世論の支持が高かった河野太郎行政改革相を決選投票の末に破り、総裁に当選した。岸田総裁は来月4日の臨時国会で次期首相に選出される。新型コロナウイルス感染症への対処に失敗し再選への挑戦を放棄した菅義偉首相は、就任1年ほどで退く。

 日本の首相交替が韓日関係の回復のきっかけとなるかが注目されているが、楽観するのは難しい。第2次安倍政権で4年7カ月間外相を務めた岸田次期首相は、2015年12月28日の韓日「慰安婦」合意当時の日本政府側の当事者だ。そのため、日帝強制動員と日本軍「慰安婦」問題について「1965年の韓日請求権協定で日本の賠償は完了しており、韓国が解決策を提示しなければならない」というこれまでの日本政府の立場から離れはしない。自民党総裁選の過程でも「韓国は国際法と国際合意を守らなければならない。ボールは韓国側にある」と述べた。しかし、安倍・菅政権の時よりは韓日対話の扉が開かれるはずだという控え目な期待もある。根本から右派である安倍前首相とは異なり、岸田次期首相は、周辺国との関係を比較的重視する党内「リベラル」(自由主義)だと評価されているからだ。

 いまこそ韓日両国は共に突破口を作る時だ。岸田政権が韓国に対する報復性の半導体輸出規制を解除し、強制動員と慰安婦被害者に対する謝罪と賠償に前向きな立場を示すよう願う。最近、韓国の裁判所は、強制動員被害者への賠償を無視した三菱重工業の韓国国内資産に対して売却命令を下した。2018年11月に強制徴用被害者への賠償の最高裁による確定判決が出てから間もなく3年になるが、三菱重工を始めとする日本企業が賠償を拒否しており、被害者がやむを得ず資産売却作業を進めている。日本は「現金化すれば報復」という脅迫ではなく、問題解決のための対話に乗りださなければならない。

 韓国政府も日本の新首相選出を機に、韓日関係改善のための積極的な外交に乗りだしてほしい。米中「新冷戦」により国際情勢が大転換を経ている時期に、隣国同士の韓国と日本が歴史問題をめぐる意見の違いを中長期的に解決していき、外交・安全保障と経済、民間交流などで協力の道を作りだす知恵を発揮する時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1013268.html韓国語原文入力:2021-09-30 02:32
訳M.S

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