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韓国資生堂、美容部員に化粧品業界初の「オンライン手当」支給

登録:2021-10-08 05:59 修正:2021-10-08 07:53
「所定の金額の固定手当支給することで労使合意」
資生堂コリア支部の組合員たちが先月、秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)連休を控え、延長営業の中止などを要求し、プラカードを持ってデモを行っている様子=百貨店・免税店販売サービス労組提供//ハンギョレ新聞社

 デパートやショッピングモールなどのオフライン売り場で商品を確かめてから、オンライン(ネット)で購入する慣行が広がる中、化粧品ブランド「資生堂」の美容部員たちが、韓国の関連業界で初めて化粧品のオンライン販売に貢献した労働を賃金として認められるようになった。

 民主労総サービス連盟所属のデパート・免税店販売サービス労働組合の資生堂コリア支部は7日、美容部員にオンライン販売貢献分の5千ウォン(約470円)を毎月固定手当てとして支給することで、会社側と暫定的に合意したと発表した。この合意は賃金団体交渉が始まった今年3月分の賃金に遡って適用される。キム・ヨヌ資生堂コリア支部長は同日、本紙の取材に「固定手当として始まったため、最初の手当の規模は予想より小さかったが、今後の交渉を通じて調整していく」とし、業界で初めてネット販売への貢献分を認められたことに意味を与えた。

 有名ブランドの化粧品をオフライン売り場で使ってみてから、より安い値段でオンライン購入しようとする消費者が日増しに増えているが、この過程に含まれている販売職労働者の貢献を賃金で支給したケースはこれまでなかった。販売職労働者らにはオフライン売り場での売上に基づいた成果手当(インセンティブ)システムが適用されていたからだ。そのため、販売職労働者らが顧客に製品のテストや説明、実演などを行い、それがオンライン購入へとつながっても、これは職員の実績として認められなかった。最近の傾向を受け、オフラインでの販売実績が低迷し、かえってインセンティブが以前より少なくなるケースも出ている。

 資生堂コリアの美容部員たちも、基本給にオフラインの販売実績によるインセンティブを加えた賃金をもらってきたが、オンラインで購入が増える傾向が加速化すると、給与体系を変える必要があるという共感が広まった。キム支部長は「オンライン市場が成長し、製品を使った試演や苦情処理などを美容部員たちが担当してきたが、これをまともに認めてもらえないのに、会社側が提示するオフライン売場実績ノルマはそのままで、ストレスと過労に苦しんだ」とし、「この問題を解決しようと決心し、産別労組であるデパート免税店サービス労組と共同で対応した末、ここまで来ることができた」と述べた。

 資生堂コリアは同手当の名前を「オンライン貢献手当」に決めた。手当の形態も同様に、オンラインでの売上状況によってばらつきのある成果手当や一時的に支給される褒賞金よりは、所定の金額でも固定給を受け取ることで合意した。キム支部長は「社員がオンライン売上に貢献しているという点を明確にするため、単なる賃上げ要求ではなく、別途の手当の新設を要求した」と説明した。

 資生堂コリアの労使合意は現在、同じ内容で労使交渉中の化粧品ブランド、シャネルやロレアルなどにも影響を及ぼすものとみられる。2006年、ロレアルコリアが「感情労働手当」を先に導入した時も、ほかのデパートの化粧品ブランドが相次いで同じ手当を導入した。雇用委員会の「流通TF」委員のキム・ジョンジン韓国労働社会研究所研究委員は「オンラインモールを通じた購入が急増し、オンライン購入による製品の問い合わせや相談、返品など、これまでになかった労働が生まれているが、これによる補償を導き出した有意義な第一歩」だと評価した。

シン・ダウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1014297.html韓国語原文入力:2021-10-07 17:32
訳H.J

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