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朝米代表、ARF会議でバイデン政権発足後初めて「オンライン接触」

登録:2021-08-10 06:13 修正:2021-08-10 07:10
ブリンケン米国務長官「北朝鮮代表に直接発言する機会与えられて感謝」 
アン・グァンイル大使「朝鮮半島の平和と安定を希望」 
チョン・ウィヨン外交部長官が今月6日、オンライン形式で開催されたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席している。画面中央は、アントニー・ブリンケン米国務長官=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 今月6日、オンライン形式で行われたASEAN地域フォーラム(ARF)を通じて、ジョー・バイデン政権発足後初めて朝米の代表が同じ会議で向かい合った。両国の代表らはオンライン会議という制約のため、朝鮮半島情勢に対するそれぞれの意見を明らかにしただけで、議論を深めることはできなかったという。

 アントニー・ブリンケン長官は同日午後に開かれたARF閣僚会議で、北朝鮮代表のアン・グァンイル駐インドネシア大使に対し、「北朝鮮に対して直接発言する機会が与えられたことに感謝する」とし、「朝鮮半島の完全な非核化は米国政府の目標だ。米国は北朝鮮と関与する準備ができており、いつでもどこでも会うという提案に北朝鮮代表の前向きな反応を期待している」と述べたという。北朝鮮は1月末にバイデン大統領が就任してから、米国の数回にわたる対話の提案にまだ応えていない。

 ブリンケン長官はさらに「米国の(北朝鮮に対する外交)努力は2018年シンガポール共同声明および他の合意に基づいている」とし、今年5月21日の韓米首脳会談共同宣言に盛り込まれた「シンガポール共同宣言」を受け継ぐ意志を改めて確認した。しかし、「米国のアプローチにおいては、北朝鮮の人権状況も重要事項」だと強調することも忘れなかった。

 米国よりずっと後に発言の機会を得たアン・グァンイル大使は、北朝鮮も「朝鮮半島の平和と安定を希望する」とし、「敵対勢力の圧迫の中でも自立的な国家開発および国家安保の保障のために努力する」と述べた。しかし、アン大使は10分ほど続いた発言時間のうち約4分を新型コロナウイルス問題に割くなど、朝米対話よりも北朝鮮内の防疫状況を紹介することに重点を置いた。今回、朝米代表が初めて顔を合わせたARFは、北朝鮮が定期的に出席する事実上唯一の地域安保協議体だ。これまでも北朝鮮核問題をめぐる重要な外交のヤマ場のたびに、各国間で様々な外交接触が行われる舞台となってきた。

 北朝鮮は先月27日、南北通信線の復旧を決定し、南北関係を改善していくことで決断を下したが、朝米対話に対してはまだ強硬な態度を崩していない。キム・ヨジョン朝鮮労働党副部長は6月22日の談話で、米国が「党中央委員会全員会議が今回明らかにした対米立場(「朝鮮半島情勢を安定的に管理していくことに力を注ぐ」)を『興味深いシグナル』と見ている」という米ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安保補佐官の言及に対し、「誤った期待は自分たちをさらに大きな失望に陥れるだろう」と冷ややかな反応を示した。リ・ソングォン外務相も翌日の談話で「われわれは貴重な時間を無駄にする、米国とのいかなる無意味な接触やその可能性について考えていない」とし、一部で提起されている朝米対話の可能性を一蹴した。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1006985.html韓国語原文入力: 2021-08-09 16:33
訳H.J

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