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[社説]通信線の電撃復旧、南北関係の全面回復の契機に

登録:2021-07-28 06:29 修正:2021-07-28 07:43
文大統領と金委員長、親書通じて合意 
膠着状態に陥った南北関係の改善に青信号 
「朝鮮半島平和プロセス」再稼動を期待
南北間の通信線が27日に413日ぶりに復旧した。この日接続されたのは統一部と軍の電話・ファックス通信線で、南北首脳間のホットラインは復旧されなかった/聯合ニュース資料写真

 昨年6月に断絶した南北通信連絡線が27日、電撃的に復旧した。長期間の膠着状態に陥っている南北関係の改善への青信号だと歓迎すべきことだ。特に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が親書を交換する直接のコミュニケーションを通じて通信線の再稼動に合意したという点で、よりいっそう意味が大きい。南北が再び力を集め南北関係を回復し、引いては朝米関係の改善と朝鮮半島平和プロセスの再稼動のきっかけとなることを願う。

 韓国と北朝鮮はこの日午前11時、通信線復旧の事実をそれぞれ同時に発表した。統一部と国防部は発表直後、板門店のホットラインと南北共同連絡事務所の通信線、軍通信線などに復旧措置がなされたことを確認した。歴代の南北関係において通信線は、単なる技術的な問題を越え、南北関係の断絶と再開のシグナルの役目を果たしてきた。昨年6月9日、北朝鮮は一部の脱北者団体による北朝鮮に対するビラの散布を激しく非難し、通信線を一方的に断った。そのような点で通信線の再稼動は、南北間のコミュニケーションと信頼の回復の象徴的かつ可視的な措置とみなせる。

 大統領府高官は「両首脳は、南北関係が長期間断絶していることに対する問題点を共有し、朝鮮半島の平和のためには速やかな関係復旧と信頼回復が必要だという点で意見が一致した」とし、通信線復旧の合意の背景を説明した。南北首脳が4月から親書の交換を通じて南北関係の回復を論議してきたなか、通信線を優先して修復することで意見が一致したということだ。南北の全ての通信線の復旧が今後の南北関係の改善と発展に肯定的に作用するはずだと明らかにしたことも、注視する点だ。ひとまず、再び跳躍するための踏み台を用意したということだ。南北は、新型コロナウイルス感染症の防疫などの保健医療での協力や食糧支援、離散家族再会などの人道支援と交流協力から、本格的な関係改善を始められるはずだ。

 2019年2月のハノイでの朝米首脳会談の決裂以後、2年以上南北関係と朝米関係が出口を探せずにいる。このような状況で南北首脳が南北関係において突破口を用意し、朝鮮半島の平和を主導的に導くという意志を示したと解釈できる。5月21日のワシントンでの韓米首脳会談で「南北の対話と関与、協力に対する支持」が共同声明で明示されたのも、そのような努力の一環とみられる。

 南北関係と朝米関係を改善しようとするのであれば、南北米の全てがともに努力しなければならない。米国は、北朝鮮が対話の場に出られるよう、もっと明確なシグナルを出さなければならない。北朝鮮の食料事情が悪化し、新型コロナの防疫が差し迫っているだけに、保健医療や幼児への栄養支援、食糧支援などについては対北朝鮮制裁を緩和する案を検討できるはずだ。北朝鮮は、情勢を悪化させる武力行使は控え、南北関係の改善に積極的な姿勢を示さなければならない。韓国政府は、米国と緊密な協議を通じて8月の韓米合同軍事演習を調整するなど、朝鮮半島情勢を安定的に管理することに力を入れなければならないだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1005399.html韓国語原文入力:2021-07-28 02:08
訳M.S

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