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韓米、北朝鮮に対話のシグナル…北朝鮮「朝鮮半島平和への意志変わらず」

登録:2021-08-09 06:35 修正:2021-08-09 06:58
第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議
チョン・ウィヨン外交部長官は今月6日、オンライン形式で開かれた第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席した。下の画面中央は北朝鮮側首席代表として出席したアン・グァンイル駐インドネシア大使=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国・北朝鮮・米国が共に正式加盟している域内唯一の多国間安保協議体のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、韓米は北朝鮮に対話の再開を重ねて求めた。北朝鮮はこれについて直接的な反応は示さなかったが、「平和への意志」を明らかにしたという。

 外交部は7日、チョン・ウィヨン外交部長官が6日にオンライン形式で開かれた第28回ARF閣僚会議で「南北首脳間合意を通じて朝鮮半島を核兵器と核の脅威のない平和の地にするという約束を履行することを求めた」と伝えた。チョン長官はまた、最近の南北通信連絡線の復元は朝鮮半島平和プロセスの再稼働に向けた肯定的な進展だと評価し、南北が中長期的に多様な分野で協力していくことを期待すると述べた。チョン長官は特に、北朝鮮代表として出席したアン・グァンイル駐インドネシア大使に対し、歓迎の意を示した。

 アントニー・ブリンケン米国務長官も同日の会議で「アン大使を通じて北朝鮮にメッセージを伝えたい」とし、「北朝鮮が権限を与えられた交渉代表さえ指定すれば、条件なしにいつでもどこでも会うという立場には変わりがない」という意思を伝えたという。ただし、米国務省は同日の会議後に発表した報道資料で「ブリンケン長官は朝鮮半島の完全な非核化に対する多くの国の要求に賛同した」とだけ発表した。

 北朝鮮は昨年に続き、外相ではなくアン大使が首席代表として出席した。アン大使は駐ASEAN北朝鮮代表部大使を兼任している。会議の終盤に発言したアン大使は、主に新型コロナウイルスの防疫に関する北朝鮮の取り組みと経済回復に向けた措置と努力について説明したという。また、「外部からの敵対的な圧力が私たちを苦しめている。しかし、朝鮮半島の平和と安定に向けた我々の意志には変わりがない」という趣旨の発言もしたという。先に発言したチョン長官やブリンケン長官の発言をはじめ、南北、朝米関係に関する直接的な言及はなかったという。

 昨年もアン大使は韓米の対話再開要求に直接反応を示さず、「北朝鮮が直面している課題は、様々な困難を乗り越え、強盛大国へと進むこと」だと強調した。当時、「状況が厳しいのは事実」というアン大使の言及について、韓国政府は北朝鮮側が対話再開に懐疑的な立場を遠回しに示したものだと解釈した。アン大使が今回の会議で「朝鮮半島平和に対する変わらぬ意志」を明らかにしたことに注目が集まるのもそのためだ。南北通信線の復元を通じて、「相互信頼を回復し、和解を図る大きな一歩を踏み出すことで合意」したと述べた北朝鮮側の変化が反映されたものとみられる。

 外交部は「多数の参加国が朝鮮半島の平和と安定に向けた対話の重要性および国連安保理決議の履行の必要性などに言及した」と伝えた。

 外交部によると、今回の会議の主要議題の一つとして議論されたミャンマー事態に関連し、チョン長官はミャンマーの民主主義の回復と拘禁者の速やかな釈放を求めた。

 毎年ARFの「難題」になっている南シナ海問題について、チョン長官は「南シナ海で平和と安定の維持はすべての国にとって非常に重要な問題」だとし、「国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法にする尊重と航行および上空飛行の自由が保障されなければならない」ことを強調した。これは南シナ海に対する韓国政府の従来の立場を再確認したものだ。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1006833.html韓国語原文入力:2021-08-08 14:26
訳H.J

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