文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、済州道(チェジュド)で開かれた4・3事件犠牲者追悼式に出席し、「4・3特別法の改正のご報告ができて非常に幸いだ」とし、「さらなる真相究明と被害者の名誉回復、国家暴力の犠牲者への支援策を盛り込んだ」と述べた。今回の4・3追悼式にはソ・ウク国防部長官とキム・チャンリョン警察庁長官が初めて出席した。
文大統領は済州4・3平和公園内に位置する済州4・3平和教育センターで開かれた追悼式で、「4・3特別法改正が与野党の合意で実現したことは、第21代国会の最大の成果の一つと評価されるだろう。この場を借りて、特別法の改正にご協力くださった各界各層の皆さんに深い感謝と尊敬の言葉を申し上げる」と述べた。続いて「今回の特別法改正で、1948年と1949年に軍法会議で受刑者になった2530名の方が、一括再審で名誉を回復する道が開かれた」と述べた。
済州4・3事件当時の1948年と1949年に軍事裁判を受けたのは、「受刑者名簿」上、少なくとも2530人。彼らの多くは朝鮮戦争勃発直後に集団虐殺された。調査により、済州4・3事件当時の行方不明者は4255人にのぼることが分かっている。
文大統領の4・3追悼式出席は、2018年の70周年追悼式と2020年の追悼式に続き、在任中3度目。大統領府は、文大統領の今回の訪問は済州4・3特別法が最近改正されたことの歴史的意義を強調し、4・3の完全な解決のために任期終了まで最善を尽くすという意志を示すためのものだと述べた。特に今回の追悼式には、史上初めて国防部長官と警察庁長官が出席した。文大統領は「軍と警察の真摯な謝罪の気持ちを、犠牲者と遺族、済州道民が包容と和合の心で受け止めてくれることを願う」とし「国家が国家暴力の歴史をより深く反省し、省察するという気持ち」と述べた。
文大統領は、さらなる真相調査と名誉回復に向けた措置も約束した。文大統領は「数日前に加時里(カシリ)で遺骸が発掘された3名の方々を含め、これまでに遺体となって帰ってこられた408名のうち、275名の方はまだ身元が確認できずにいる」とし「政府は遺骸発掘事業と共に遺伝子鑑識を支援し、必ず故人たちを家族のもとに返す」と述べた。
また文大統領は、4・3名誉回復に向けた済州道民の努力に民主党政権も協力してきたことを強調した。文大統領は「半世紀のタブーを破り、金大中(キム・デジュン)政権において真相究明と名誉回復の基礎を固めることができたのは、勇気ある証言と行動が続いてきたため。2003年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が政府レベルの真相調査報告書を確定するとともに、過去の国家権力の過ちについて大統領として初めて遺族と済州道民に公式に謝罪することができたのも、そして現政権において4・3の真実により近づくことができたのも、済州道民と国民のおかげ」と語った。