韓国政府は、変異ウイルスの拡散などの危険要因を考慮すれば、3~4月に新型コロナウイルス感染症の第4波が訪れる可能性も排除できないと発表した。自己隔離期間中に防疫守則違反で変異ウイルスが伝播したことが分かったことから、専門家は検疫の強化などの追加的な対策が必要だと指摘した。4日午前0時現在で、過去24時間以内に確認された新規感染者は451人。政府は、新規感染者数がなかなか減らず、変異ウイルスが地域社会へと広がっていることから、第4波の可能性について初めて公式に言及した。
中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長はこの日のブリーフィングで「3月、4月に再び流行が起きる可能性がある」とし「専門家をはじめ、防疫当局も、そうした可能性は完全には排除できず、準備せねばならない状況」と述べた。変異ウイルスの拡散や感染再生産指数の上昇(前週0.82→0.92)などの危険要因があるうえ、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)への疲れから、3~4月になると防疫守則がきちんと守られなくなる可能性があることを懸念したものだ。1人の感染者が感染させうる人の数を示す感染再生産指数は、4日現在の1週間平均が0.92で、直前の週の0.82より上昇している。
変異ウイルス拡散の懸念が高まっていることを受け、防疫当局は遅まきながら追加対策を検討していることを発表した。前日、防疫当局は指標患者(最初の確定感染者)→家族→親戚→親戚の知人という経路を経て38人が感染した「慶尚南道・全羅南道の外国人親戚集団感染」事例において、4件で英国発の変異ウイルスが検出されたと発表したが、この過程で親戚が感染者の家を訪問するなど、自己隔離守則違反が発生していたことが確認された。中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク第2副本部長は、「外部の訪問者が訪問する場合には、必ず防疫当局の承認を受けなければならない」と述べた。
これについてチョン・セギュン首相はこの日「入国者の自己隔離過程に隙がないか再点検し、補完対策を講じてほしい」と述べた。これに関し、ユン・テホ班長は「今後、疫学的に関連する事例は変異株である可能性が高いと積極的に解釈し、管理する必要があるという内容が論議された」とし「確定感染者の職場と学校に対しては先制的検査を拡大し、中東からの入国者を対象としてウイルス分析を拡大する必要がある」と述べた。
高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「現在開発されているワクチンは、変異株には効果が落ちると認識されている」とし「ワクチンが本格的に接種される前に変異株が定着するのを防ぐためには、家族間での感染が確実に起きないように施設隔離を考慮する必要がある」と述べた。しかし現在の11の臨時生活施設は、国外からの入国者のすべてを収容できているわけではない。クォン第2副本部長は、施設隔離案について「全体的な資源不足のため、思い通りにならない状況もある」と述べた。国外からの入国者は1日当たり4000人程度だが、14日間の隔離を実施するには5万6000人が収容できる隔離施設を確保しなければならないというのだ。同氏は「あらゆることを検討し、近いうちにより強化された対策を発表する」と述べた。
一方、防疫当局は、昨年4月21日から12月12日までに国民健康栄養調査に参加した5284人の検体を確保。コロナ抗体を持っているかどうかを調査し、結果を4日に公開した。5人が抗体保有者と確認されたが、このうち陽性判定を受けていたのは3人だけだった。残りの2人は防疫当局に報告されていない患者で、地域社会で「静かな伝播」があったものとみられる。