大統領府は、新型コロナウイルス感染症ワクチンの確保に向け、外交安保チームの力量を集中することを明らかにした。新型コロナ再拡散の危機にあたり、ワクチンの確保が急務となっているため、日本などの他国とのワクチン確保競争で遅れを取らないようにするためと見られる。
大統領府は17日、国家安全保障会議常任委員会の結果を伝える席で、「ソ・フン国家安保室長の主宰で開かれた会議において、常任委員たちは、国内外のコロナ拡散とワクチン確保の状況を点検し、外交安保分野においてもあらゆる力量と努力を集中させ、必要な措置を持続的に取っていくこととした」と発表した。韓国政府は今月8日、アストラゼネカ、ファイザー、ヤンセンファーマ、モデルナのグローバル製薬会社4社などを通じ、新型コロナ予防ワクチン4400万人分(人口の85%)を先行購入することを明らかにしているが、外交安保チームまでもがワクチン確保戦に乗り出したかたちだ。
国家安全保障会議の常任委がコロナワクチンに触れたのは今回が2度目。5月7日に開かれた常任委でもワクチンに言及しているが、「グローバル対応拡大に向けた国際社会の努力に参加する」という程度にとどまっていた。しかし、コロナが再び拡散していることから、今回は「確保」「力量集中」「必要な措置」などの具体的な行動に言及しており、雰囲気が一変した。
現在、大統領府を含む与党界隈からは、コロナワクチンの確保を急ぐべきとの意見が出ている。英国や米国などでのワクチン接種の実施がリアルタイムで報道されたことで、「韓国は接種が遅い」という世論がわき起こっているうえ、野党がこれに対する攻勢を強めていることも負担となっているようだ。
一方、同常任委はこの日「米国の新政権発足を契機として、国際社会の動向と朝鮮半島周辺情勢を点検するとともに、韓米および南北関係に関する懸案を安定的に管理していくための方策について論議した」と明かしている。