インドと欧州連合(EU)、米国が新型コロナウイルスワクチンの60%近くを確保したことが分かった。4400万回分を確保した韓国は、アルゼンチンに続き17位圏だった。
8日(現地時間)、米デューク大学世界保健革新センターが先月30日基準で集計した新型コロナワクチンの統計によると、インドやEU、米国など世界40カ国(国際機関含む)がファイザーやモデルナなど製薬会社20社と計73億回分の新型コロナワクチンの供給契約を締結した。
インドが16億回分と最も多く確保し、EUが15億8500万回分、米国が10億1千万回分の確保で1~3位を占めた。さらに、国際的なワクチン購入共同組織であるCOVAXが7億回分で4位、カナダ(3億5800万回分)、英国(3億5500万回分)、インドネシア(2億9000万回分)、日本(1億9600万回分)などが続く。
韓国はこの日政府が発表した4400万回分を適用すれば、アルゼンチン(4700万回分)に次ぎ世界で17番目のワクチン確保国となる。韓国はデューク大学の統計には「不明」(UNKNOWN)と記されているが、韓国政府が発表する前に統計が作成されたためとみられる。
韓国政府の契約相手のアストラゼネカは計20カ国で25億回分のワクチン供給契約を結んでおり、ファイザーは21カ国で6億5870万回分の契約を結んだ。比較的あまり知られていないヤンセンは5カ国3億7千万回分を、COVAXは7億回分を契約した状況だ。
ワクチン供給の偏りも深刻だ。インド、EU、米国の上位3国・地域が確保した分量は計41億9500万回分で、全体の57.5%に達する。これにEUから脱退した英国まで合わせると、45億5000万回分に上回る。ワクチン10本のうち6本に当たる62.3%をインド、EU、米国が確保したのだ。
これらの国々と地域は実際、新型コロナの感染拡大が非常に深刻な状況だ。米国は感染者が1500万人に迫る世界1位の感染国であり、インドは感染者が1千万人に達する世界2位の感染国だ。英国、フランス、イタリア、スペインなど欧州諸国でも、感染者がそれぞれ100万~200万人に達する。
ワクチンの安全性や持続性などが最終的に確認されていない状況で、これらの国と地域がワクチンの確保と接種に力を入れているのもそのためだ。多くの製薬会社はまだワクチン開発段階にあり、成功するかどうかも不透明なため、「とりあえず契約を結んでみよう」という心理が反映された。
しかし、このような状況を考慮しても、米国とEUが人口の3倍ほどの物量を確保したのは行き過ぎた行為という批判の声も上がっている。その上、ドナルド・トランプ米大統領は8日、「アメリカ・ファースト」を掲げ、海外の国家支援に先立ち、米国人にまず新型コロナワクチンを接種するという内容の行政命令に署名する計画だ。この行政命令が施行されれば、米国際開発局(USAID)が世界ワクチン免疫連合(GAVI)と約束した低所得92カ国に対するワクチン支援は来年第2四半期以降にようやく可能になる。
ワクチンの確保と共に、各国はワクチンをどのような原則と順序で接種するかについても頭を悩ませている。ワクチン接種の先頭に立っている英国と米国は、高齢者や医療分野の関係者らを優先的に接種する方針だが、それぞれ「危険グループ優先」と「感染拡大防止優先」という異なる原則に重きを置いている。
英国の場合、年齢を基準に接種の順番を決めている。療養所の居住者と従事者が優先接種対象で、それ以外は80歳、75歳以上、70歳以上のように年齢で接種の順番を決める。死亡危険の高い順にワクチン接種を先に行うのだ。
一方、米国は拡散防止にもっと焦点を当てている。米国のワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)が25回の会議を経て、今月1日に投票を通じて確定したガイドラインによると、優先接種対象者は病院や保健所などの保健医療施設従事者や学校運営陣をはじめとする必須労働者、65歳以上の基礎疾患の高齢者だ。その次が学校、ターミナルなど人口密度の高い施設の関係者たち、3番目は若者と子どもたち、そして非必須労働者たちの順となる。