韓国政府は8日、国外の製薬会社アストラゼネカ、ファイザー、ヤンセン、モデルナが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンを先行購入すると明かした。各製薬会社の先行購入ワクチンを含め、計4400万人分を確保する計画だ。
政府はこの日、チョン・セギュン首相が進行する国務会議で、国外で開発中の新型コロナワクチンの確保計画を審議・議決し、予防接種策を議論した。この日の会議で政府は「COVAX facility(コバックス・ファシリティー)」を通じて約1000万人分、グローバル・ワクチン企業を通じて3400万人分を先行購入することを確定した。コバックス・ファシリティーは、2021年末までに全世界の人口の最大20%へワクチンを均等供給することを目標として、世界保健機関(WHO)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、Gaviワクチンアライアンスが中心となって立ち上げた国際的枠組みだ。
政府は6月末に民間の専門家で構成された「ワクチン導入特別専門チーム」を発足させるとともに、ファイザー、アストラゼネカなどワクチン開発で先頭を走る企業との協議を7月に開始したと発表している。最近は、開発中のワクチンが失敗する可能性を考慮すべきだという専門家の意見に従い、当初計画していた人口の60%よりも多くの人口が接種可能な物量を先行購入することを決め、導入目標量を4400万人分としていた。
これに沿って政府は、国外の製薬会社を通じて6400万回分のワクチンを先行購入する計画だ。製薬会社ごとに見ると、アストラゼネカから2000万回分、ファイザーから2000万回分、ヤンセンから400万回分、モデルナから2000万回分を先行購入する。アストラゼネカ、ファイザー、モデルナのワクチンは、1人が2回接種しなければならない。こうして用意された3400万人分とコバックス・ファシリティーを通じて購入する1000万人分を合わせると、目標は達成できる。
契約の進行状況はメーカーごとに異なる。政府の説明によると、アストラゼカとは先行購入契約を済ませており、残りの企業とは拘束力のある購入約款などを締結して購入物量が確定されているという。政府は「先行購入ワクチンは来年2~3月から段階的に導入される予定」とし「今後、後続開発ワクチンの動向なども綿密にモニタリングし、追加で必要な物量も積極的に確保していく計画」と明らかにした。
政府は疾病管理庁に、ワクチン導入および予防接種のための別途の専門組織、仮称「新型コロナ予防接種対応推進団」を設置する計画だ。開発中のワクチンは保管条件が厳しい、有効期限が短い、2回接種しなければならないなどの理由から、安定した接種に向けて準備すべきことが多いためだ。例えばファイザーのワクチンは、マイナス70度で保管しなければならない。
政府は「ワクチン開発はまだ完了しておらず、安全性、効果などに対する懸念が依然としてあるため、国内の新型コロナの状況、国外の接種動向および副作用の有無、国民の需要などを考慮して、接種の時期を弾力的に決める予定」と述べた。ただし、優先接種の勧奨対象者として高齢者、集団施設の居住者、慢性疾患者などの新型コロナに対する脆弱層と、保健医療人などの社会必須サービスの人員約3600万人を選び出している。