新型コロナウイルス感染症の拡散に歯止めがかからない中、死者が連日10人以上発生するとともに、重篤患者も急速に増えている。防疫当局は、高齢層が密集する療養施設で集団感染が多数発生した影響により、死者が急増したと分析している。
16日午前0時現在、過去24時間以内に発生した新型コロナによる死者は12人。前日の13人に続き、2日連続で2桁を記録した。韓国国内でのコロナ流行開始以降、死者が連日10人を超えたのは今回が初。これは、高齢者の死亡が多かった2~3月の大邱・慶尚北道よりも深刻な状況であることを意味する。今月だけで86人がコロナにより死亡している。重篤患者もこの日新たに21人増え、累計で226人に達した。今月1日には重篤患者は97人だったが、半月の間に2倍以上に増加したことになる。226人のうち、ECMO(人工心肺装置)による治療を受けている患者は20人未満だ。130人は高流量酸素療法を受けている。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長はこの日の定例ブリーフィングで、死者急増の背景について「最も大きな理由は、療養病院と療養施設で集団感染が発生したこと」とし「特に基礎疾患を持つ高齢の患者がここのところ多く発生し、死者増加に影響を及ぼした」と述べた。
療養病院と療養施設で死者が続出していることから、コホート隔離(同一集団隔離)が死の危険を高めるのではないかという懸念も示されている。6日にコホート隔離された蔚山(ウルサン)のヤンジ療養病院で入院中に死亡した3人は、陽性判定を受けた日に死亡したり、死後に陽性判定を受けたケースだった。ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「コロナは、確定判定後すぐに死亡するケースはない。療養病院内部で交差感染が発生したり、診断が遅れたりしたと見られるが、いずれにしても患者の状態がきちんとモニタリングされていないものと思われる」と述べた。
これについて防疫当局は「大半が基礎疾患、高リスクの高齢者であるため、感染症専門病院に一度に大挙移動させるのは負担となる側面がある」と説明した。中央防疫対策本部のクァク・ジン患者管理チーム長は「療養・集団施設で感染者が発生すれば、接触者を隔離しなければならないが、自己隔離が可能な状況にはないため、施設内でひとまず隔離することになる」とし「すべての人を1人部屋に隔離するのが最も良いため、そうした条件が整うよう迅速に資源を動員する努力が必要」と説明した。
中央災害安全対策本部はこの日、療養施設と医療機関の先制検査の周期を短縮する計画であることを明らかにした。首都圏は従来の2週間から1週間に、非首都圏は4週間から2週間に短縮する。また、行政命令を発動し、機関長に検査の義務を課して、特に新規の勤務者と看病人(入院患者を看病する人。患者や家族が私費で雇う)に対する検査が徹底して行なわれるようにする予定だ。