本文に移動

韓国外交部、「人肉食べたい」暴言の駐シアトル副領事に甘い対応

登録:2020-10-21 04:13 修正:2020-10-21 10:14
駐シアトル副領事「退職しても最後まで苦しめてやる」暴言 
耐えかねた職員ら16件の不正容疑を通報 
監察班は被害者への対面調査なしで「実名アンケート」のみ 
懲戒ではなく警告で済ます…外交部「適切な措置」
カン・ギョンファ外交部長官//ハンギョレ新聞社

 駐シアトル総領事館の副領事が、職員に対して口にするのもはばかられる暴言を日常的に繰り返し、「パワハラ」を行っているという陳情が寄せられていたにもかかわらず、外交部が甘い対応にとどめたことが分かった。在外公館の事故が相次いでいることから、昨年8月には文在寅(ムン・ジェイン)大統領が自ら「職員の服務管理を徹底せよ」との指示を下しているにもかかわらず、依然として身内の不正に目をつぶっているということだ。

 国会外交統一委員会所属のイ・テギュ議員(国民の党)が20日に公開した資料によると、A副領事は2019年の赴任直後から、行政職員に対し罵詈雑言や暴言を日常的に繰り返していたことが確認された。イ議員室に寄せられた被害者たちによる情報提供内容を見ると、A副領事は「この×××野郎」といった暴言をはじめ、「退職しても最後まで苦しめてやる」「この給料で生活できるのか」「私は外交部職員では財産順位が30位以内に入る」といった、相手を蔑み屈辱を感じさせる発言をためらわず発した。届け出のあったA副領事の発言の中には「人間の肉はとてもおいしそうだ。必ず人肉を食べてみようと思う」「私の祖母は日本人だが、祖母のおかげで朝鮮人はパンを食べて生きていくことができた」など、常識的に理解しがたい内容もあった。

 耐えかねた駐シアトル総領事館所属の行政職員たちは昨年10月、A副領事による暴言▽私文書偽造▽物品単価操作▽予算流用などを含む16件の不正行為を公館幹部に届け出た。公館は直ちに外交部本部に監査を要請した。

 これによって、昨年11月末、外交部監査官室監察班による現場監査が行われた。しかし監察班は、A副領事の暴言の被害者である行政職員に対する参考人調査を行わなかった。これついて職員たちは、「A副領事は赴任前まで監査官室に勤務していたため、本部の監査官が身内を大目に見たのではないか」と疑っている。外交部監査官室は、今年1月に行政職員を対象として外交部メールシステムを通じた「実名アンケート調査」を実施するに止まった。

 結局、A副領事は暴言2件、不適切な発言1件が確認され、長官名義による「警告」、駐シアトル総領事館は「機関注意」処分を受けるにとどまった。警告は国家公務員法による懲戒ではない。外交部はこうした処分を下した理由として、「証言が相反し、証拠資料がない」としている。イ・テギュ議員は今回の事態をめぐり「外交部内の服務規律の緩みはもちろん、部署内の不正行為根絶に対するカン・ギョンファ長官の意志が足りないことを示す実例」と指摘した。

 外交部は、適切な対応がなされたとの立場を固守している。外交部のイ・ジェウン報道官は20日の定例記者会見で「外交部は情報提供内容について綿密な調査を実施し、こうした綿密調査をもとに適切な措置が取られた」と述べた。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/966473.html韓国語原文入力:2020-10-20 16:08
訳D.K

関連記事