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外交部「ニュージーランドで強制わいせつ容疑の外交官、韓国に召喚」

登録:2020-08-04 05:59 修正:2020-08-04 08:10
外交部高官「ニュージーランドに行き 
調査を受けるよう強制はできない」 
 
外交部、駐韓ニュージーランド大使を呼び 
「マスコミによる問題提起、外交慣例に反する 
公式な司法手続きに従うべき」と立場伝える
強制わいせつ容疑で外交問題を起こした駐ニュージーランド韓国大使館の元副大使に関する現地マスコミ報道//ハンギョレ新聞社

 外交部が、強制わいせつ容疑で韓国とニュージーランドとの間で外交問題を起こした駐ニュージーランド韓国大使館のK元副大使を速やかに国内に召喚することを決めた。しかし、ニュージーランド政府が要求するK元副大使の現地警察への出頭は、政府レベルで強制するのは難しいと述べた。

 外交部高官は3日、記者団に対し「今日、(東南アジアのある大使館で総領事を務めている)K外交官に帰任発令を出し、最短時間で帰国させることにした」と明らかにした。ニュージーランド政府が求める「入国調査」に対しては、「政府でも(刑事処罰が予想される状況で)出頭して取り調べを受けろとは言えない。帰国後の追加(懲戒)措置も現在のところ考えていない」と述べた。

 外交部は同日午後、フィリップ・ターナー駐韓ニュージーランド大使を呼び、「この問題の正しい解決方式は、両国間の公式な司法協力の手続きに従うことだ」という韓国政府の立場を伝えた。外交部はこの際、「ニュージーランド政府が公式な司法手続きを無視し、マスコミを通じて持続的に問題を提起したり、予告もなく首脳会談の議題にこの問題を挟んだのは、外交的慣例に反する」という立場を明らかにしたという。外交部の高官は「我々も外交部の職員だからといってむやみに庇護したり、内容を縮小したりするつもりは全くない」と述べた。

 ニュージーランド政府が、韓国政府の求める「法的手続き」に従う代わりに、自国メディアを通じてK元副大使が「ニュージーランドに入国し、警察の取り調べを受けるべきだ」という世論戦を展開しているのは、両国が締結した「犯罪者引渡し条約」(2002年発効)に従った場合送還が難しいと判断したためとみられる。同条約第2条は引渡対象犯罪を「両当事国法により最低1年以上の自由形またはそれより重い刑で処罰できる犯罪とする」と定められている。

 これに先立ち、外交部は2019年2月、K元副大使に対し「減給1カ月」という軽い懲戒処分にとどめており、刑事告発などの追加措置は取らなかった。裁判所も、K元副大使が懲役1年以上に該当する重い犯罪を犯したと判断しない可能性が高い。したがって、K元副大使がニュージーランドに自ら入国し、現地警察の調査に応じない限り、この問題はニュージーランドが望む「自国の司法手続きによる処理」で決着がつかないまま、両国のわだかまりとして残る見通しだ。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/956322.html韓国語原文入力:2020-08-04 02:12
訳H.J