医学部の定員拡大政策などに反発した大韓医師協会(医協)の2回目の集団休診を翌日に控えた25日、韓国政府と医協が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況が安定するまで政策推進と集団休診を保留する」という内容で暫定合意した。しかし、医協傘下の大韓専攻医協議会(大専協)所属の専攻医らは、暫定合意案を受け入れず、集団休診を続けることにした。
保健福祉部と医協は24日から25日未明にかけてマラソン交渉を行った結果、このような内容の暫定合意に達した。政府関係者は同日、「COVID-19が安定化するまで、政府は医学部の定員拡大政策の推進を、医協は集団休診を中止することで暫定合意した。まずはCOVID-19への対応に政府と医療界が専念しようという趣旨」だと説明した。さらに同関係者は「ただし、何をCOVID-19の安定化時期の基準にするか、それによっていつ交渉を再開するかなどについては、さらなる協議が必要だ」と付け加えた。
当初、政府は医学部の定員拡大政策の推進を一時保留して、再度議論するという立場を、医協は政策を撤回した後、原点から再検討することを主張し、対立してきた。特に医協は14日に続き、26~28日に再び集団休診を強行する意思を明らかにしており、21日からは専攻医(レジデント)や専任医(フェロー)らが順に無期限の集団休診に乗り出して、政府に対する圧力を強めてきた。しかし最近、国内のCOVID-19患者の急増により、政府と医協の両方とも“医療空白”に負担を感じたことで、妥協に乗り出したものとみられる。
しかし、最終合意に至るまでの道のりはまだ遠い。大専協は同日夜遅くまで代議員会議を開き、暫定合意案の受け入れをめぐって討論を行ったが、内部の反発が激しく、指導部が辞任して集団休診を続けることにした。これに先立ち、福祉部と医協は大専協代議員会の追認を得て、最終合意文を作成することにした。暫定合意案の受け入れを拒否した専攻医らは、政府政策の全面的な撤回を集団休診撤回の優先条件に掲げている。
福祉部は同日現在で全国専攻医研修機関200カ所のうち、政府の調査に答えた163カ所で1万277人中5995人(58.3%)が休診に入ったと発表した。これは前日の休診率69.4%(回答機関151カ所の8679人のうち6021人が休診)より11.1%ポイント低くなったものだ。専任医は2639人のうち162人(6.1%)だけが休診に参加した。
市民社会からは彼らの集団行動に対する批判が相次いだ。経済正義実践市民連合は声明を発表し、「医師団体が集団休診を強行すれば、医療法と公正取引法違反で告発する」と明らかにした。無償医療運動本部は「(専攻医の一部が)救急室や集中治療室のスタッフまで休診に参加させた集団行動は度が過ぎている」と指摘した。