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「軽空母事業、安保上の脅威とは無関係な予算の浪費」

登録:2020-08-26 06:27 修正:2020-08-26 07:35
シン・ウォンシク議員、国会の国防委員会で指摘 
「軽空母船団、運営・維持費を含めば30~40兆ウォン」 
「海上交通路の保護は軍事ではなく外交で対応を」
国防部が10日に公開した3万トン級軽空母の概念図=海軍提供//ハンギョレ新聞社

 最近の国防部の軽空母推進計画に関連し、25日の国会で、「全体の構成と運用に30~40兆ウォン(約2兆7000億~3兆6000億円)が必要」だとし、「我々の安保上の脅威と直接関連のない戦力にこのような莫大な費用を注ぎ込むのは予算の浪費」だという指摘が提起された。

 未来統合党のシン・ウォンシク議員はこの日、国会の国防委員会で「軽空母の建造に1.8兆ウォン(約1600億円)、搭載する航空機の確保に3~4兆ウォン(約2700億~3600億円)が必要になるなど、軽空母を編成することだけで5兆ウォン(約4500億円)が必要だ」とし、莫大な事業費を強調した。国防部は10日に国防中期計画(2020~2025)を発表し、「来年から3万トン級軽空母事業を推進する」と明らかにしている。国防部は軽空母を艦載機10機ほど搭載できる規模で、2030年代初め~中頃に戦力化する計画であることが分かった。

 合同参謀本部の作戦本部長(陸軍中将)出身のシン議員は「軽空母を海に出すには、軽空母を敵の誘導弾攻撃から保護するためにイージス艦が2~3隻が必要で、次期護衛艦もなければならない」とし、「高速で航進する軽空母船団と同調して機動する原子力推進潜水艦も最低1隻必要だが、そのようなものを全てそろえるには、少なく見積もっても12兆ウォン(約1兆1000億円)を要し、それに運営維持費まで全て含めば30~40兆ウォンが必要になる」と推算した。シン議員は「我々の安保上の脅威は、北朝鮮の核・ミサイルと長距離砲の脅威が優先的な脅威だが、このような莫大な費用を、こうした直接的な我々の安保の需要とは関連のない所につぎ込まなければならないのか疑問」だと指摘した。

 シン議員は「遠海海上交通路の防護のためには軽空母が必要だ」という国防部の論理に対しては「遠海海上交通路は外交で対応しなければならない」と一蹴した。シン議員は「マラッカ海峡やホルムズ海峡などの海上交通路は、一度も遮断されたことはない」とし、「そのような遠海の海上路の防護は、軍事力ではなく韓米同盟とアジア近隣各国との外交協力を通じて行うもの」だと述べた。

 シン議員は「我々の安保上の脅威は周辺国と北朝鮮だ。5000年の民族史がそうだった。海の彼方のインドやオーストラリアが安保上の脅威ならば空母戦団が必要だが、そのような可能性はない」とし、「国防部長官は各軍の要求から抜け出し、このような過度な安保の需要に対しては再検討してほしい」と要請した。

 これに対してチョン・ギョンドゥ国防部長官は「軽空母は30年、50年以後に備えるための戦力なので、今から準備しなければならない」とし、「事業を行えば、結局、最短でも13年~15年、またはそれ以上必要となるため、年間に投資される費用は我々の国防費用の予算の範囲内に収めることが可能だ」と答えた。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/959255.html韓国語原文入力:2020-08-25 16:25
訳M.S

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