北朝鮮の長射程砲による攻撃からソウルを防御する「韓国型アイアンドーム」が2030年前後に作られる。韓国軍独自の衛星航法システム(GPS)の構築も2030年代初・中盤までに推進される。
国防部は10日、今後5年間の軍事力建設と戦力運営計画を盛り込んだ「2021~2025国防中期計画」を発表した。国防部の発表によれば、軍当局は5年以内に北朝鮮の長射程砲の脅威から首都圏および核心重要施設を防護できる迎撃システム(韓国型アイアンドーム)の開発に着手する計画だ。長射程砲は、北朝鮮の放射砲(多連装ロケット砲)と170ミリ自走砲を指し、北朝鮮の「ソウルを火の海にする」という威嚇当時に主要な在来式兵器として注目された。軍はこれまで「韓国型ミサイル防御」(KAMD)を構築してきたが、スカッドなどの弾道ミサイルを迎撃するためのものであり、長射程砲には対応できない。
米国の「ランド研究所」は最近の報告書で、北朝鮮の在来式砲隊の奇襲攻撃だけでソウルでは1時間に死傷者13万人余りが発生すると予想した。国防部の関係者は「長射程砲迎撃システムは、2020年代末~2030年代初には戦力化できるだろう」と話した。
米国のGPSとの並行運用が可能な韓国独自のGPS構築事業も、2030年代初・中盤の戦力化を目標に推進される。韓国軍が自国の衛星航法システムを備えることになれば、独自戦術能力が拡大すると期待される。また、最近の韓米ミサイル指針改正で可能になった固体燃料宇宙発射体技術を利用して、2020年代中盤までに地上の物体を最高1メートル大まで識別できる超小型偵察衛星も計画されている。
3万トン級の軽空母事業も来年から本格化する。軽空母は、兵力・装備・物資の輸送だけでなく、垂直離着陸機の運用を通じて海上機動部隊の指揮艦の役割も果たすことができる。また、3000トン級の潜水艦戦力化事業が完了すれば、武装搭載能力と潜航能力が向上した3600トン級および4000トン級の潜水艦も建造する方針だ。
この他に国防部は、現在兵長(下士の下、上等兵の上の階級)基準で54万1千ウォン(約4万8千円)水準の兵士の月給を2022年には67万6千ウォン(約6万円、2017年最低賃金の50%相当)に引き上げ、2025年には96万3千ウォン(約86千円、下士1号俸の50%)に引き上げる予定だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権初年の2017年に21万6千ウォンだった兵長の月給は3年間で54万1千ウォンになるなど、150%余り引き上げられた。