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「金正恩が求める法」「境界地域の安全を守る」…与野党、対北朝鮮ビラ禁止めぐり攻防

登録:2020-08-04 06:02 修正:2020-08-04 08:07
与野党、外交通商統一委員会で
「対北朝鮮ビラ禁止」の処理をめぐり攻防
 
 
「北朝鮮の顔色をうかがう…表現の自由に反する」 
テ・ヨンホら未来統合党議員の激しい攻勢に 
イ・イニョン統一部長官「北朝鮮の要求によるものという主張は憶測」 
ソン・ヨンギル委員長も「これでは討論できない」と制止
イ・イニョン統一部長官が今月3日午後、国会で開かれた外交統一委員会の全体会議に出席し、資料を見ながら話し合っている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「金正恩(キム・ジョンウン)とキム・ヨジョンが求める法を国会で作るのか」(テ・ヨンホ未来統合党議員)

 「他党議員の法案発議を根本的に否定しては討論にならない」(オン・ヨンギル外交統一委員長)

  3日に開かれた国会の外交統一委員会では、与党の共に民主党議員らが発議した「南北交流協力に関する法律一部改正案」をめぐり、与野党議員らが激しい攻防を繰り広げた。今年上半期、南北関係の硬直の導火線になった対北朝鮮ビラに対し、法律的規制を加えるのが妥当かどうかが争点だった。民主党のキム・ホンゴル議員やキム・スンナム議員、ユン・フドク議員らがそれぞれ発議した法案は、「北朝鮮に向けたビラを散布する際、統一部長官の承認を受けるようにする」というのが主な内容だ。法律を通じてビラ散布行為を事実上禁止するという意味だ。

 民主党議員らは、2014年に北朝鮮が対北朝鮮ビラに高射銃を発射した例を挙げ、「ビラ散布は北朝鮮の軍事的挑発を誘発し、境界地域付近の住民の安全を脅かす」という点を繰り返し強調した。散布されたビラの大半が軍事境界線付近に落ちており、北朝鮮社会に及ぼす政治的波及効果は大きくないという点も指摘した。イ・イニョン統一部長官は「北朝鮮が今後も対北朝鮮ビラを理由に軍事的行動をする可能性があるというのが合理的判断」だと述べ、改正を後押しした。

 未来統合党議員らはビラ散布が「表現の自由」という憲法的基本権に当たるもので、これを法律で規制するのは違憲だという論理で対抗した。テ・ヨンホ議員は「(民主党の法案は)金正恩、キム・ヨジョンが求める法だ」として、強く反対した。与野党議員の激しい攻防に、ソン・ヨンギル委員長は「(対北朝鮮ビラが)北朝鮮の変化、発展に効果があるかないか議論している」とし、「与党議員全員が金正恩を助けるためにこのような法を作ると(攻撃)しては議論が進まない」とし、テ議員を制止した。イ・イニョン長官も「(改正案作りが)キム・ヨジョンの要求によるものという主張は妥当ではない」と述べた。

 チェ・ヨンフン外交通商委専門委員は、法案検討報告書で、「対北朝鮮ビラ散布行為は、南北関係に否定的な影響を及ぼし、境界地域の住民の生命権を脅かして、財産権を侵害する恐れがあるため、改正案の立法趣旨が妥当だ」という意見を出した。ただし、対北朝鮮ビラを散布しようとする民間団体の憲法上の表現の自由と、境界地域住民の生命権と財産権などの基本権が衝突する問題を総合的に考慮し判断すべきだという意見を付け加えた。

ノ・ジウォン、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/956317.html韓国語原文入力:2020-08-04 02:12
訳H.J

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