新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散を防ぐため今年2月末から閉鎖されていたソウル市内各地の敬老堂(高齢者施設の一種)が、約5カ月ぶりに再開する。ただし、受け入れ人数は通常の利用可能人員の半数とし、運営時間も1日4時間のみとする。
ソウル市は2日、中央災害安全対策本部の指針に合わせて、3日から段階的に管内3467カ所の敬老堂の運営を開始すると発表した。市は敬老堂の運営再開に当たって、感染予防のために運営時間や利用人員などをしばらくは制限することにした。運営時間は午後1時から午後5時までの1日4時間のみとなる。受け入れ人数は通常の利用可能人数の半数とし、利用可能日も高齢者1人につき一週間に平日2~3日のみとする。
食事を含めて、料理を作って食べる行為は禁止される。敬老堂内で行われる教育プログラムは中止するが、野外で行う畑などの非対面プログラムは最小限の範囲で実施する。
市は万が一の事態に備え、敬老堂ごとに感染管理責任者を指定することとし、立入者名簿の作成、マスクや手指消毒剤などの防疫物品などの支援を各区に指示した。市関係者は「感染管理の対応状況によって、各区ごとに敬老堂の開所時期に差が出る可能性がある」と説明した。
すでに同市は、地域社会でのケアの空白を最小化するため、先月20日から総合社会福祉館、老人総合福祉館、障害者福祉館、リハビリ施設などの社会福祉施設553カ所の運営を開始している。しかし、感染拡散を防ぐため、免疫力の弱い高齢者が利用する敬老堂の運営はしばらく見合わせてきた。市はコロナ拡散の傾向などを考慮しながら、敬老堂内の小規模プログラムの開始時期などを調整する方針だ。