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[ルポ]中央事故収拾本部の奮闘記…長期戦に入った黄色いジャンパーの戦士たち

登録:2020-07-21 06:14 修正:2020-07-21 17:27
「新型コロナパンデミックから6カ月」の中収本現場 
初期には福祉部の遊休スペースを使っていたが 
組織の常設化…254人が1カ所に集まり 
チョン本部長「マラソンを全力疾走したよう」
今月20日午前、公開された政府世宗庁舎保健福祉部内の「新型コロナ中央事故収拾本部(中収本)」で、関係者らが会議を行っている//ハンギョレ新聞社

 政府世宗庁舎の保健福祉部の7階には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応のための専門組織である中央事故収拾本部(中収本)が位置している。中収本の一日は午前5時に始まる。毎日0時基準で集計するCOVID-19新規感染者数を確認し、朝8時30分、首相主宰で開かれる中央災害安全対策本部(中対本)会議の準備をするのが日課のスタートだ。発生当初は福祉部の4~6階の一角に設けられていた中収本は、今月7日に組織が常設化され、散らばっていた254人を1カ所に集めた。その代わり、福祉部人口政策室の職員が近くの民間の建物に移転した。“COVID-19との長い戦い”に備えた“長期戦”に突入したわけだ。

韓国でCOVID-19感染者が初めて発生した1月20日以降、6カ月間の記録=中央防疫対策本部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国国内でCOVID-19の感染者が初めて発生してから6カ月が経った20日午前、マスコミに初めて公開された中収本事務室では、ノ・ホンイン総括責任官やユン・テホ防疫総括班長、ソン・ヨンレ戦略企画班長ら“中収本の人々”が、黄色のジャンパーを着て会議のテーブルを囲んでいた。マスクの下の顔には安堵感と深刻さが同時に現れていた。同日午前0時現在、市中感染の新規感染者数は4人で、5月8日(1人)以後73日ぶりに最も少ない数値だ。しかし、「COVID-19日別状況掲示板」に登場する国外からの入国者の感染者数は著しい増加傾向にあった。この日も新規感染者26人のうち、国外からの流入が22人だった。ソン班長は「国外からの流入による感染者数が増え続ければ、国内医療体系と隔離者管理の負担が大きくなる問題があり、中長期的な対応策を検討している」と説明した。

 中収本は、疾病管理本部に構成された中央防疫対策本部(防対本)と共に、COVID-19の感染拡大防止に取り組んできた。韓国で初めての患者が発生して1週間後の1月27日、感染病危機警報が「注意」から「警戒」に引き上げられて稼動し始めた。初期には在武漢韓国国民の特別輸送対策の樹立と新天地イエス教会を中心とした大流行への対応に、また最近には生活防疫守則などを決めることに力を入れてきた。大邱(テグ)・慶尚北道地域の感染者急増の時期には、中収本のスタッフが400人まで増えた。毎日午前に開かれる「ブリーフィング」の場所に行くエレベーターの中でも、内容が修正される緊迫した時期だった。“中収本の人々”は「いつでも再び大流行が起こる可能性がある」とし、事務室のあちこちに机を空けておいた。

 防疫当局者らは、地域封鎖のような強制的措置もなく、感染拡大のテンポを遅らせたことを成果に挙げ、長期戦のためには生活防疫が文化や制度に根づき、医療現場の疲労度を下げることが重要だと口をそろえている。チョン・ウンギョン防対本本部長は同日、「(約42キロメートルの)マラソンで10キロメートルほど来たのではないかと思う。ただ、その10キロメートルを100メートル走のように全力疾走したような気がする」と、6カ月間の対応について感想を述べた。チョン本部長は「これからは持続可能で効率的な対応体系を作らなければならない」とし、「特に重症患者への対応能力不足問題を解決しなければならず、有給休暇や在宅勤務など距離を置くことが日常化できるよう、制度を定着させることが必要だ」と強調した。同日までの累積感染者数1万3762人のうち、主要経済活動人口の20~50代が全体の70%を占めている。

※中央事故収拾本部(中収本)は保健福祉部を中心に、中央防疫対策本部(防対本)は疾病管理本部を中心にCOVID-19対応のために運営される組織。中央災害安全対策本部(中対本)は首相を本部長とする汎政府対応組織。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/954451.html韓国語原文入力:2020-07-21 02:41
訳H.J

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