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パク市長の被害者側「今は苦しんでいる被害者の時間」

登録:2020-07-14 00:02 修正:2020-07-14 07:20
100人以上の取材陣押し寄せ、大騒ぎ 
YouTubeの生中継を約9千人が視聴 
 
突然の会見に葬儀委「考え直してほしい」と訴える 
女性団体「葬儀が終わるまで待って礼を尽くした」 
「遺族も考えるべき」という市民の意見も
故パク・ウォンスン・ソウル市長を告訴した被害女性を代理するキム・ジェリョン弁護士(右から2番目)が今月13日午後、ソウル市恩平区碌ボン洞の韓国女性の電話事務所で開いた「ソウル市長の威力による強制わいせつ事件記者会見」で経過報告を行っている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 パク・ウォンスン・ソウル市長を強制わいせつ容疑で告訴した被害者側の記者会見は、13日午後2時、パク市長の運柩行列が、彼の先祖のお墓がある慶尚南道昌寧(チャンニョン)に向かう間に行われた。葬儀委員会は同日午後1時36分、「パク市長の遺族が(故人を偲び、悲しむ)涙の時間が持てるよう、故人にまつわる本日の記者会見を考え直してほしい」というメッセージを送ったが、会見は予定通り行われた。女性団体は「被害者に"2次加害"が行われており、手をこまねいてみているわけにはいかない状況だった」と述べた。

 記者会見が開かれたソウル恩平区(ウンピョング)の韓国女性の電話教育館前には、会見1時間前から100人以上の取材陣が押し寄せ、ごった返した。女性の電話のYouTubeチャンネルで生中継された映像には、9千人以上がリアルタイムでアクセスし、今回の記者会見に対する市民の熱い関心をうかがわせた。記者会見に臨んだ被害者の弁護人であるキム・ジェリョン弁護士やイ・ミギョン韓国性暴力相談所長など、女性団体関係者の表情には悲壮感が漂っていた。パク市長が自ら命を絶ったうえ、被害者に対するあからさまな非難など、“2次加害”が行われている状況の深刻さを示すようだった。

キム・ヘジョン韓国性暴力相談所副所長(右)が今月13日午後、ソウル市恩平区碌ボン洞の韓国女性の電話で開かれた「ソウル市長の威力による強制わいせつ事件の記者会見」で、被害者の手紙を代読している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 ソン・ランヒ韓国女性の電話事務処長は同日、葬儀日程が終わった直後に突然記者会見を開いた背景について「死をもって事件をうやむやにしたり、被害事実を話すことを禁止するわけにはいかない」とし「この事件は被害者が存在する事件だ。勇気を出した被害者の声が無駄にならないよう、この場を設けた」と述べた。

 パク市長の葬儀直後、緊急に行われた記者会見をめぐり、市民の意見は分かれた。あるツイッターユーザーは「パク市長の娘と夫人も人であり女性だ。葬儀の日以降に記者会見を行い、その方々も保護すべきではなかったか」という書き込みを残した。あるネットユーザーは「何であんなに急いで出棺した日に記者会見をしなければならなかったのかと思う。彼の家族たちには今日が最後の日だ」と書き込んだ。一方、別のツイッターユーザーは「司法手続きを踏もうとした告訴人の意志を最も暴力的な方法で砕き、記者会見という手段を取るしかないようにしたのは、パク・ウォンスン氏本人だ。記者会見まで妨害しようとする葬儀委員会の厚顔無恥さに開いた口が塞がらない」と批判した。

 イ・ミギョン所長は「葬儀が終わるまで待った。最大限の礼を尽くした」と述べた。キム・ヘジョン韓国性暴力相談所副所長は、「被害者が2次被害にあっている。(今は被害者が苦しんでいる)被害者の時間だ」と付け加えた。

カン・ジェグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/953514.html韓国語原文入力:2020-07-13 22:14
訳H.J

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