米国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する中国責任論と安保上の脅威などを取り上げ、同盟に対して「華為(ファーウェイ)を使うな」と促すなど、「反中国戦線」参加を繰り返し圧迫し始めた。米中間の選択を強いられる状況を避けたい韓国政府の悩みが深まっている。
21日(現地時間)、米国務省が公開した発言録によると、米国務省のキース・クラーク経済次官は前日、アジア太平洋地域の記者との電話懇談会で、マイク・ポンペオ国務長官が先月発表した「5G(第5世代)クリーンパス(Clean Path)構想」を取り上げた。クラーク次官は「ファーウェイや中興通訊(ZTE)など信頼できない販売者が供給するいかなる5G装置も使わないだろう」と述べ、同盟国の参加を促した。クラーク次官は中国を除き米国の友好国だけでグローバル・サプライチェーンを改編する「経済繁栄ネットワーク」(EPN)に関しても「韓国と対話を交わした」と強調した。
国務省のクリストファー・フォード国際安保・非拡散担当次官補も同日「ファーウェイのような中国の技術会社が引き起こす脅威に目を開き始め、中国の技術企業の生態系外にいるサプライヤ-をますます探すようになるだろう」としながら「それには韓国のサムスンも含まれる」と伝えた。米国を始めとする主要国がサプライチェーンを変更すればサムスン電子が恩恵を受けられるという意味と解釈される。
クラーク次官などの発言は、最近のCOVID-19拡散責任論などを巡り、米中間の対立が激化する中で出てきたものだけに注目される。このような対中国強硬策は、中国の浮上を警戒する米国社会全体の危機意識を反映したものとの分析が出ている。また、大統領選挙を控えてCOVID-19発の危機に直面したドナルド・トランプ大統領が責任を外部に押し付けようとする大統領選挙の戦略の側面もあると見られる。
韓国政府は米中対決構図強化の情勢の成り行きに神経をとがらせながらも、慎重な態度を示している。大統領府高官は22日、クラーク次官の発言に対する立場を問う記者の質問に「韓国に参加提案が来たのか確認できない」として「ただし、経済繁栄ネットワーク構想はまだ検討段階であり、グローバル経済分野にある様々な構想程度だと認識している」と述べた。