米国と中国が全面的な経済戦争を繰り広げる態勢だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるショックで危機に陥った国内外の経済に、もう一つの大型の悪材料が追加されたのだ。官民合同の非常対応が必要だ。
米国政府が中国の通信設備メーカーの華為(ファーウェイ)に対する制裁の度合いを高めると、中国外交部は16日、「米国の措置は世界的レベルのサプライチェーンを破壊する行為」だとし、「中国企業の合法的で正当な権利を断固として防御する」と反発した。中国官営メディアの「環球時報」は「中国も報復措置を取ることになるだろう」として、具体的な報復行為と関連する米国企業の名前まで提示した。これは米国商務省が15日(現地時間)の声明で、米国の技術により製作された半導体製品がファーウェイに渡らないよう輸出規定を変更すると明らかにしたことから始まった。米国で生産された半導体をファーウェイに輸出されるのを防いできたことからさらに一歩踏み出した、手の付けられない措置だ。実行されるならば、韓国国内の業者も影響を受け得るという点で心配だ。
米国と中国の衝突は、2018年の貿易戦争当時から「覇権競争」の性格のため長期戦になるだろうとの観測が多かった。COVID-19拡散の責任論を契機に激化した両国の対立は、過去の米ソ冷戦と肩を並べる。米中新冷戦という話が出る理由だ。
両国に対する依存度が共に高い韓国経済には大きな懸念材料だ。ファーウェイが被害を被るからといって、国内業者が反射利益を受けられるかは不透明だ。覇権競争の長期化を想定して政府と関連業界が緊密に協力し、対応しなければならない時だ。市場多角化により輸出を最大限防御して、両国に傾いた産業と経済の構造を少しずつでも変えていかなければならない。内需拡大を始めとして産業の体質を改善し、「包容的成長」の政策基調を一貫して推進するのは、これと無関係ではない重要な課題だ。
米中衝突が経済戦争を越えて南シナ海で互いに軍事力を誇示するなど、国際政治の領域にまで広がるならば、私たちは二者択一を強いられる状況に直面することになり得る。選択を強いられても、どちらか一方の肩を持つのは望ましくないのは当然だ。特に経済分野では民間領域を中心に実利に基づく判断とバランスが何より必要だろう。政府と業界、学界が冷静で客観的な情報収集と分析を通じて共同の対応の枠組み作らなければならない。