国連人権理事会によって設置された独立調査委員会(COI)が16日(現地時間)、イスラエルがガザ地区で展開する残酷な軍事作戦は国際法の禁止する「ジェノサイド(集団殺害)」に当たるという結論を下した報告書を公開した。イスラエルがガザ地区でこの2年間にわたり、許されざる深刻な人道上の国家犯罪をおこなってきたことを認めたのだ。にもかかわらず、イスラエルはガザ市の占領を目指す地上作戦を開始するなど、罪なき命を死に追いやり続けている。米国の過酷な関税政策で他国の状況を顧みる余裕がないのも事実だが、韓国政府もこの問題にもう少し関心を寄せ、イスラエルの暴走にブレーキをかける果敢な対応策を世界各国とともに考えるべきだ。
パレスチナ問題を扱う独立調査委員会はこの日、72ページの報告書を発表し、イスラエルが2023年10月7日から今年7月31日までガザ地区に対しておこなってきた攻撃はジェノサイドに当たると結論づけた。「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約」(1951年発効)によると、集団の構成員に対する殺害▽重大な肉体的、精神的危害▽肉体的破壊をもたらすための意図された生活条件の強要▽集団内における子どもの出生防止▽子どもの強制移動、の5つの行為を集団殺害と規定している。報告書は、イスラエルはこのうち「子どもの強制移動」を除く4つの行為を犯したと述べている。国連人権理事会はこの日の報道資料で「集団殺害行為はガザ地区内のパレスチナ集団を破壊するために意図的に行われた」と指摘した。
同報告書が発表された当日も、イスラエルの攻撃はやまなかった。イスラエルは先月8日にガザ市を制圧する方針を決め、同月20日に軍事作戦の第1段階を開始。続いて今月9日、住民に町を去れという「退去命令」を下し、16日には空中から無慈悲な爆撃を加えたうえで、戦車を含む地上軍投入作戦に乗り出した。アルジャジーラなどは、この過程で78人が死亡したと伝えた。国際社会は、戦後に不正疑惑での捜査と裁判が待っているネタニヤフ首相が、自身の「政治的延命」のために罪なき人々を犠牲にしているとする激しい批判を浴びせている。
これまで韓国政府は、外交部報道官の論評などによって、イスラエルの様々な行動に対して「口頭警告」を繰り返してきた。これからは欧州の主要国のように、韓国の意思をよりはっきりと示す、より具体的で実効性のある対応策を取っていくべきだ。