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済州まで飛び火「クラブ発コロナ」…隠れ感染者探し非常事態

登録:2020-05-11 01:38 修正:2020-05-11 07:26
2日間で55人増え、74人確定判定 
クラブ訪問者2千人は連絡つかず 
「匿名検査制で自発的検査誘導を」 
 
ソウル・京畿は風俗店営業禁止命令 
政府「訪問者対人接触禁止」の全国拡大を検討
京畿道龍仁市で陽性判定を受けた20代の男性(龍仁で66人目の確定感染者)が訪れたソウル龍山区のクラブの近くの8日昼の様子。人々が往来している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 ソウル梨泰院(イテウォン)のクラブ発の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が70人を超え、首都圏はもちろん釜山(プサン)や済州(チェジュ)にまで飛び火している。しばらく韓国では事実上消え去ったかのようだったCOVID-19が再び全国に急速に広がる中、患者発生初期に積極的に防疫網を稼動させて更なる伝播をできる限り阻止することが課題として浮上した。政府は、京畿道が発令した対人接触禁止命令を全国に拡大する方策も検討すると明らかにした。

 中央防疫対策本部やソウル市などの発表を総合すると、10日夜9時現在、梨泰院のクラブ関連の累計感染者は74人だ。地域別ではソウル市が46人で最も多く、京畿道が17人、仁川市(インチョンシ)が7人、忠清北道が2人、釜山市が1人、済州道が1人だ。

 同クラブ関連の感染者の絶対多数を占める首都圏は、事実上の営業禁止にあたる集合禁止の行政命令を出すなど、強硬な対応を取っている。イ・ジェミョン京畿道知事はこの日午後に緊急記者会見を開き、「京畿道内の風俗店やコーラテック(アルコールを販売しないクラブ)など5601カ所の利用、営業を禁止する集合禁止命令を下す」と明らかにした。また「先月29日からソウル龍山区(ヨンサング)梨泰院洞所在の6カ所のクラブと江南区(カンナムグ)所在の睡眠部屋(サウナなどを備えた低価の簡易宿泊施設)に出入りした者のうち、京畿道に住所や職場、その他の縁故がある人は、11日から17日までに京畿道内の保健所か選別診療所で無償でCOVID-19感染検査を受けなければならない」とし、対人接触禁止命令も下した。対人接触禁止命令は感染症予防法に基づくものだが、中央災害安全対策本部は「実効性が担保されれば大いに役立つ」とし、この命令を全国に拡大することを検討している。

 これに先立つ9日、ソウル市のパク・ウォンスン市長も市内の風俗店に2度目の集合禁止命令を下した。ソウル市は先に、江南の風俗店従事者が陽性判定を受けた後の先月8日、市内の風俗店2146カ所に最初の集合禁止命令を下している。仁川市は、市内の1058の風俗店に、6月7日までの運営自粛を勧告する行政命令を下した。

 梨泰院のクラブ発の集団感染は、これまでに発生した主な感染例とは異なり不特定多数が訪問者であることから、さらなる拡散が非常に憂慮される。しかも、現在までに確認されているクラブ発の確定感染者の30%が無症状のため、隠れ感染者が自ら検査を受けに行かないまま、地域感染をさらに拡大しかねない状況だ。

 しかしクラブの出入り名簿に性的マイノリティ・外国人などが個人情報を正確に作成していない可能性があるなどで、防疫当局は訪問者と接触者の把握に困難を強いられている。特に、ソウル龍山区は先月30日から今月5日までの梨泰院の5カ所のクラブの出入り者リストを確保し、連絡を取っているが、10日午後現在、リストに記された5517人(重複除外)のうち、連絡がついたのは3535人にとどまった。このため、ソウル市は性的マイノリティ・コミュニティと協力して、梨泰院のクラブの訪問者は検査を受けるように案内するなど、追加感染を防ぐ措置を講じている。防疫当局は同日、疫学調査の対象を拡大する一方、症状の発現に関係なくCOVID-19検査を受けられる集団に「4月29日~5月6日の梨泰院地域の訪問者」を加えた。

 専門家は、匿名検査制などを期限付きで導入して、できる限りクラブ訪問者たちの自発的な検査を誘導し、更なる伝播を防がなければならないと指摘した。梨泰院を訪れた事実が知られればマイノリティに対するヘイトにさらされる恐れがあるため、積極的に検査を受けることが難しいことを考慮した提案だ。嘉泉大学吉病院のオム・ジユンシク教授(感染内科)は「社会的非難、差別とヘイトの対象になることに対する恐れを理解し、選別診療所などで梨泰院のクラブを訪問したかは尋ねも問いつめもしない方が良い。調査を早く進めなければ感染の範囲や伝播力の強さを測定できない」と助言した。高麗大学九老(クロ)病院のキム・ウジュ教授(感染内科)も「期限付きで匿名検査制を導入するのも一つの方法だ。感染者の動線の公開も人権侵害の要素がないよう、さらに気を使うべき」と述べた。

ソ・ヘミ、チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/944366.html韓国語原文入力:2020-05-10 21:52
訳D.K

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