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韓国の新型コロナによる死者200人超え…致命率も2%に迫る

登録:2020-04-09 02:26 修正:2020-04-09 07:57
死者100人目まで30日 
200人目は18日 
病床不足と地域不均衡のためとの指摘 

新規確定は3日連続で50人前後
ソウル医療院は27日、新型コロナ制圧のため、従来の総合病院から新型コロナ専門病院への転換に全力を傾けていると明らかにした//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者が200人を超え、致命率(感染者に占める死者の割合)が2%に迫っている。死者の発生速度も徐々に速まっており、新規の感染者数の減少にもかかわらず、事態の早期沈静化の見通しは立っていない。政府と専門家は、ともすれば緩みかねない「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」の重要性を重ねて強調している。

 8日、中央防疫対策本部(防対本)は、同日0時現在でCOVID-19による死者数を200人と発表した。最初の死者の発生(2月20日)から100人目の死者が出るまでには30日(3月21日)かかったが、そこから200人目までは18日しかかかっていない。死者の増加速度が日増しに早まっているのだ。致命率は同日で1.93%だった。

 死者の大半は、高齢者や基礎疾患保有者と把握されている。防対本のクォン・ジュヌク副本部長はこの日午後の定例ブリーフィングで、「死亡者のうち基礎疾患の保有が確認されなかったのは、今日まで1人のみ」と述べた。

 新規の感染者はこの日53人増え、増加の勢いは3日連続で50人前後と落ち着いている。防疫当局はこれを高強度のソーシャル・ディスタンシングの効果と解釈した。しかし死者は今後もしばらくの間は急速に増加する可能性が高い。8日現在で危篤患者は46人、重症患者は34人と集計されており、状態の深刻な患者が80人を超えるためだ。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「重症または危篤の患者数が多い。致命率が2%を超えて3%に達するかどうかも見守らなければならない」と懸念を示した。

 治療に時間が長くかかるため長期入院する患者がいるということも、防疫当局には負担となっている。大邱市(テグシ)はこの日「感染確定以降の病気の持続期間を分析すると、50%以上が30日以上入院している」と明らかにした。防対本は、大邱・慶尚北道で初めて陽性判定を受けた31人目の患者をはじめとして、計4人が現在まで50日以上入院中だと明かした。

 致命率の上昇には、早くから指摘されていた病床や医療スタッフの不足と地域間の不均衡が影響しているのではないかという指摘が出ている。クォン副本部長は「他国との水平的比較を見ると、韓国の致命率がそれほど高いとは判断しがたいが、病床や重症患者診療、一線の医療スタッフの支援が不十分だったのではと心配する声が多いことは承知している」と述べた。それとともに「自宅隔離者の同居家族が高危険群の多い病院などに従事している場合、業務から外れるようにするなど、致命率を下げるために最善を尽くしている」と付け加えた。防疫当局は、マラリア治療薬のヒドロキシクロロキン投薬、血しょうによる治療など、適切な治療法探しにも力を入れていると明らかにした。

 専門家は、死者を減らすためにもソーシャル・ディスタンシングが強く維持されなければならないと助言する。オム教授は「高危険群がCOVID-19にさらされないようにすることが、死者と新規感染者を減らす唯一の方法だ。そのためには若くて健康な人がCOVID-19に感染してはならない。ソーシャル・ディスタンシングが非常に重要」と述べた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/936231.html韓国語原文入力:2020-04-08 20:57
訳D.K

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