6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数が47人を記録し、46日ぶりに50人を下回った。しかし、防疫当局は警戒心を緩めるにはまだ早いとし、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)により一層積極的に参加するよう呼びかけた。特に第1次「高いレベルのソーシャル・ディスタンシング」施行期間(3月22日~4月5日)にむしろ市民の移動が多くなったことを受け、韓国政府はオンライン宗教活動支援など追加対策を検討している。
同日、中央災難安全対策本部(中対本)は「新規感染者数が50人以下に減ったが、週末であるため検査が通常の1万件以上から6000件に減った影響が大きい。この数値だけで安心する段階ではない」と述べた。また「海外からの流入による感染拡大の可能性がまだある。感染経路が確認できない感染者が5~10%を占めるのは、地域社会に防疫当局が把握できない感染者が存在するという意味」だとし、「欧州や米国で見られる爆発的な感染拡大現象がいつでも起こり得る厳しい状況」だと強調した。防疫当局は同日、感染再生産指数(感染者1人から平均的に感染を広げられる人数)を1以下に下げることをもう一つの目標に掲げた。
防疫当局がこのように緊張を緩めないのは、先週末だけで市民の移動量が50万人ほど増加するなど、第1次「高いレベルのソーシャル・ディスタンシング」施行期間中、むしろ移動量が2月末より30%も増えたためだ。中対本がこの日公開した「ソウル流動人口視覚化資料」によると、4日、明洞(ミョンドン)や江南(カンナム)駅、弘大(ホンデ)など若い年齢層が多く訪れる商業地区と汝矣島(ヨイド)や漢江(ハンガン)沿い、南山(ナムサン)付近などの花見スポットへの訪問者が増えた。同日、ソウルで現場礼拝を行った教会は1914カ所で、1週間前(1817カ所)より100カ所ほど増加した。ソウル市は今月12日の復活祭を控え、現場礼拝が増えていると分析した。
このため、政府はオンライン礼拝を支援し、防疫規則に違反した施設に対する行政命令を検討するなど、ソーシャル・ディスタンシングの実効性を高める案を検討している。管理システムも共に強化し、防疫規則に反する遊興施設などの多重利用施設に対しては、行政指導や行政命令などの措置を取り、これに違反する場合は処罰する方針を明らかにした。
専門家らは、屋外だからといってウイルスから100%安全なわけではないと強調した。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は2015年、米ディズニーランドでハシカの集団発病事例が現れたことを取り上げ、「野外で感染すれば、追跡者の管理はさらに難しくなる。教会や病院ではなくても、新しい場所でいつでも患者が発生し得るため、違反施設に対する行政命令の措置を強力に進めるべきだ」と述べた。慶北大学病院のカム・シン教授(予防医学)は「処罰や制裁だけでは限界があり、自分と人を共に守るという考えで連帯するしかない」と指摘した。