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[社説] 自宅隔離者の自制と厳格な管理が切実だ

登録:2020-04-06 07:40 修正:2020-04-06 09:19
5日、ソウルの良才川の散策路に、新型コロナ拡散防止のためのソーシャル・ディスタンシングの次元で実施された進入統制を案内する横断幕が掛けられている//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散を防ぐための高レベルの社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)体制がさらに2週間延びた。外国から入国した感染者が新規感染者の半分に迫り、人口密集地の首都圏を中心に小規模集団感染が出続けている状況で、防疫当局や医療スタッフ、市民の協力が切実になっている。

 5日のCOVID-19感染者は前日より81人増え、そのうち40人が外国からの入国者だ。一部では防疫のために海外からの入国を全面禁止すべきだと主張しているが、入国感染者の91・7%は韓国国民だ。彼らの帰国を防ぐわけには行かない。入国者全員に実施されている自宅隔離をさらに厳格に管理し、違反者に対しては適正な処罰をすることで解決策を図るべきである。

 外国から入国した後、自宅隔離の指針を破って活動して感染が確認される例が相次いでいるのは非常に残念だ。解熱剤を服用して空港の検疫を通過し、釜山まで移動してから感染が確認された留学生、症状があるのに済州(チェジュ)旅行をした米国人留学生の母子の行動は社会の怒りを買った。自宅隔離場所に携帯電話を置いたまま外出して摘発されたベトナム留学生、激しいせきをしながらもワインバーを運営して多数を感染させた米国人の行動も非難されて当然だ。彼らの行動は感染拡散の危険を高め、彼らが訪問したところは活動を中止して防疫をするという二重三重の被害を受けた。政府は5日から自宅隔離規則の違反者に対する処罰を1年以下の懲役または1千万ウォン(約88万円)以下の罰金へと強化した。「私だけ例外」という考えによって共同体を危機に陥れる行動には厳格な処罰が必要だ。防疫当局は自宅隔離がきちんと守られているかに対するモニタリングも強化しなければならない。何よりも外国から来た自宅隔離対象者が自ら自制して規定を遵守することが最も重要だ。

 集団感染が強く心配される行事の強行も責任を問わなければならない。拘束中であるチョン・グァンフン牧師が導くサラン第一教会は先月、ソウル市の集会禁止の行政命令を破って告発されたにもかかわらず、5日にまた「日曜合同礼拝」を強行した。政府の勧告を無視した反社会的な行為にはそれに見合った代償を払うのが正しい。

 危機が長びいていることで、特に医療と防疫の最前線で奮闘している医療スタッフの疲労と危険は累積している。COVID-19患者を診療して感染した慶尚北道慶山(キョンサン)の内科医が亡くなるという残念なことも起きた。日常への回復を念願して、それぞれの立場で最善を尽くしてきた韓国社会の構成員全員がいっそう互いに思いやり、励ましあってこの難局を耐え抜かねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/935698.html登録:2020/04/05 17:21
訳T.W

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