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韓国政府、高危険施設で患者を早期発見するため「標本・混合検査」などを検討

登録:2020-04-06 06:01 修正:2020-04-09 07:29
第2次ソーシャル・ディスタンシングで集団感染の遮断に集中 
病院などで複数の検体の同時検査を考慮 
 
教会や病院など集団施設の防疫責任者に 
毎日発熱検査後、異常時は通報を義務づける 
 
第1次ソーシャル・ディスタンシングで集団感染4件に減少 
感染経路が不明の感染は37件→3件の成果
今月5日午後、ソウル汝矣島の汝矣ナル駅近くの桜並木通りで、銅雀区役所の職員たちが新型コロナウイルス感染症の予防のための「春の花見での距離置き」を広報している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は19日まで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、「高いレベルの社会的距離措置」(ソーシャル・ディスタンシング)を延長し、感染リスクの高い主要施設に防疫責任者を指定し、患者への早期発見に集中する方針だ。医療陣の感染が相次いだことを受け、政府は救急室に隔離診療区域を設けるなど、「医療人材の感染予防対策」を新たに打ち出した。専門家らは首都圏や病院の感染拡大を防ぐことに力を入れながら、混合検体技法などを利用した検査の拡大を考慮する必要があると提案した。

 防疫当局は、この2週間に強化されたソーシャル・ディスタンシングで、感染経路が不明の事例が3月6日の37件(19.8%)から3月31日には3件(6.1%)に減ったことを成果に挙げている。新規の集団感染発生件数も11件(3月12-21日)から4件(3月22-31日)に減少した。クォン・ジュヌク中央防疫対策本部(防対本)副本部長は5日、定例ブリーフィングで「今後2週間、地域社会への感染拡大において、感染経路のつかめない患者の発生を(減らすことを)最重要課題に考えて対応する」と述べた。

 第1次と第2次の高いレベルのソーシャル・ディスタンシングは、表面的にはあまり変わらない。宗教施設や一部の室内体育施設、遊興施設などの運営を中止し、やむを得ず運営する場合でも防疫当局が示した規則を守ろうというのが主な内容だ。ただし、政府は第2次ソーシャル・ディスタンシング期間中、療養病院や教会など主要な集団施設内の防疫責任者に定期点検の結果を届け出ることを義務づけた。これらの施設の防疫責任者は、1日に2回以上患者や関係者の発熱を確認し、異常がある場合は直ちにその場から排除した後、届け出なければならない。各施設の危険度を早期に確認するための措置だ。

 防疫当局は、応急室内の事前患者分類所・隔離診療区域の設置▽選別診療所の動線の標準モデル作り▽感染予防コンサルティングの推進などを盛り込んだ医療関係者の感染予防対策も打ち出した。今月3日基準で、医療機関関係者のうちCOVID-19に感染した人は241人で、全体感染者の約2.4%を占める。そのうち、地域社会で感染した人が41.9%(101人)で最も多く、一般診療過程で感染した事例が27.3%(66人)で、その後に続く。中小・療養・精神病院など感染管理能力が弱い医療機関は地域別感染病専門諮問団を構成し、マンツーマン諮問を進めることにした。

政府が今月19日までソーシャル・ディスタンシングを2週間延長する方針を明らかにした中、5日午前、チョン・グァンフン韓国キリスト教総連合会牧師が担任牧師を務めるソウル城北区のサラン第一教会が連合礼拝を強行し、信者たちが街頭で礼拝を行っている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 専門家たちは、新規感染者と重症患者の割合を下げるためには、感染者の増加傾向が続いている首都圏を中心に、療養病院や療養院、精神病院など高危険群に対する検査網を拡大すべきだと指摘している。国立がんセンターのキ・モラン教授(予防医学)は「無症状の状態で感染が確認される場合がかなりあり、発熱や呼吸器症状の監視だけでは遅すぎる」としたうえで、「大邱(テグ)で療養病院の全数検査を通じて追加感染を確認したように、首都圏から療養病院などを対象に全数検査を拡大する必要がある」と話した。ただし、膨大な検査量を考慮し、複数の検体を一度に検査した後に陽性が出た集団だけを選別して再検査を行う「混合検体技法」と、一部を対象に標本検査を実施する方法の導入も考えなければならないとキ教授は指摘した。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「重要なのは地域社会の中で社会的活動の距離を置くこと、韓国国民だけでなく外国人の待機措置の違反事例まで徹底的に管理すること、そして病院内の追加感染を防ぐことだ」とし、「相対的にインフラが足りない療養病院の患者発生をどれほど防げるかがカギとなる」と話した。

 防疫当局は「首都圏の療養病院に対する全数検査よりは、(散発的に発生する)病院および地域社会の事例調査を優先すべき」という立場だ。療養所や療養病院で有症者が出た場合、標本検査をまず実施し、このとき感染者が出れば全数検査に拡大する方針だ。ただし、これとは別に10人の検体を一度に検査する「混合検体手法」を導入するかどうかを検討中だ。

パク・ダヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/935743.html韓国語原文入力:2020-04-06 02:40
訳H.J

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