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韓国政府「一日の新規感染者50人・感染経路不明患者5%」の目標提示

登録:2020-04-06 05:57 修正:2020-04-06 08:05
高いレベルのソーシャル・ディスタンシングを2週間延長 
 
重症患者の安定的な治療のための“最低基準” 
維持された場合は2週間後、生活防疫体系に転換 
地域社会で散発的に感染した場合は安心できず 
専門家「単なる数値では希望抱かせるだけ」と懸念
今月5日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためのソウル市の集会禁止命令にもかかわらず礼拝を強行したソウル市城北区長位洞のサラン第一教会で、信徒たちが日曜礼拝に参加している//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が高いレベルの社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の2週間延長を決め、新規感染者の発生を1日平均50人以下に抑えるという目標を示した。また、感染経路が確認されない事例を5%以下に抑える計画だ。政府がソーシャル・ディスタンシングの要請に伴い、このように具体的な目標を提示したのは今回が初めて。ただし、一部の専門家は、今後の防疫対策をまとめる上で重要な根拠となる目標値を、単に新規感染者の発生数値としてのみ示すのが望ましいかについて疑問を呈しており、議論を呼ぶものと見られる。

 5日の防疫当局の説明を総合すると、現在100人前後の新規感染者の発生水準を1日平均50人以下に抑えるという目標は、重症患者を安定的に治療できる最低基準だ。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長は「現在は重症症患者の割合が5%程度だが、これが最大限10%まで上がるとしても、1日の新規感染者が50人水準に減れば、重症患者が5人になる」とし、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者を治療できる大型病院97カ所が保有している陰圧重患者室は100~110室程度で、患者1人当たり21日程度の治療を受けると仮定すれば、(今回提示した目標値が達成される場合)重症患者を治療するのに大きな無理はない」と説明した。軽症患者は特別な治療なしでも治るが、重症になるほど急速に悪化するのがCOVID-19の最大の特徴であるためだ。

 また、感染経路の確認が困難な新規感染者の事例が全体の5~7%になるが、これを5%以下で維持するというのは、防疫当局の統制範囲内に収めなければならないという趣旨の目標値だ。「防疫網で捕らえきれない新規感染者が大規模な集団感染を引き起こせば、いつでも再び新天地イエス教会のような危険な事態を招きかねない」(パク・ヌンフ中央災難安全対策本部第1次長)というわけだ。

 政府は、このような目標が少なくとも数日以上維持されれば、生活防疫システムに移行する方針だ。ただし、2回目の高いレベルのソーシャル・ディスタンシング(4月6~19日)期間中は目標が早く達成されても指針を維持する計画だ。2回目のソーシャル・ディスタンシング期間が終了した直後の20日には、小学校低学年の授業再開(遠隔授業)が予定されている。

 しかし、今回の政府の措置について、翰林大学江南誠心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「感染者が1日50人しか出なかったとしても、地域社会のあちこちで散発的に感染が発生する場合は決して安心できない状況なので、数値だけで提示するのは望ましくない」とし、「また2週間が過ぎた後に状況が現在とどれだけ変わるか分からないのに、引き続き『2週間だけの辛抱』というふうに発表するのは、経済活動が麻痺している方々に根拠のない希望を抱かせるだけかもしれない」と述べた。政府が講じられる対策を中心に立場を示すべきという指摘だ。国立がんセンターのキ・モラン教授(予防医学)は「基本的に生活防疫体系への移行は、感染病の危機警報を現在の深刻レベルから一段階引き下げられる状況でなければならない」とし、「経済状況があまりにも厳しいなら、ある程度の危険を甘受してでもソーシャル・ディスタンシングを緩和するか、それとも今の状態を維持するかについて、社会的合意が必要だ」と話した。

ファンボ・ヨン、パク・ダヘ、パク・ヒョンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/935747.html韓国語原文入力:2020-04-06 05:00
訳H.J

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