韓国政府は今年9日0時から日本に対するビザ免除措置とすでに発給されたビザの効力を停止すると、6日に発表した。また、日本から入国する旅行客全員に対し、特別入国手続きを適用することにした。前日、日本政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止を理由に、韓国からの入国者に対する入国制限措置を実施する方針を発表したことへの対応措置だ。
チョ・セヨン外交部第1次官は同日、外交部庁舍で、「事前協議や通知もなく、一方的に発表した日本側の措置に対し、深い遺憾の意」を表明し、日本の措置に対する4つの対応措置を発表した。チョ次官はビザ免除措置の中止を発表し、「ビザ発給過程で健康確認の手続きが含まれるだろうし、今後の状況の変化によっては健康確認書を要請することもあり得る」と述べた。また「日本が取った離着陸空港の制限と船舶・旅客運送停止要請については、日本に滞在している韓国人の入国に不便をもたらす可能性などを総合的に判断し、今後相応の措置を取る」とし、「韓日路線が多い仁川や金浦(キンポ)、金海(キムヘ)、済州(チェジュ)の中から空港を選択することになるだろう」と説明した。日本政府が韓国滞在歴のある入国者に対し、指定した場所内14日間の待機を要請したことに関しては、「9日0時を期して、日本から入国するすべての外国人に対する特別入国手続きを適用する」とし、「より強化された措置を取るかどうかは、日本内の感染拡大状況などを考慮して決定する」と述べた。日本の全域に対する旅行警報も2段階の旅行自制へと上方修正される。日本が韓国に対する感染症危険情報のレベルを引き上げたことへの対応措置である。
これに先立ち、大統領府は同日午前、チョン・ウィヨン国家安保室長を中心に国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、日本政府の措置に強い遺憾の意を表明し、「相互主義に基づいた措置を含む必要な対応策」を示唆した。政府は日本が韓国との事前協議もなく、重大な措置を決定して発表した点や韓国政府の防疫努力を十分に考慮しなかった点、日本国内で安倍晋三首相のCOVID-19対応に対する批判が高まり、東京五輪の延期あるいはキャンセルまで取りざたされる危機の中、韓国に対して電撃的に超強硬措置に乗り出したと判断し、直ちに対応措置を発表した。チョ次官は「不透明で消極的な防疫の動きを見せてきた日本が、韓国国民を対象に一方的に入国制限の強化措置を取ったのは納得できず、これは全世界が評価している韓国の先進的かつ優秀な防疫システムに対する理解不足によるもの」だと説明した。
カン・ギョンファ外交部長官が同日、富田浩司駐韓日本大使を異例に直接呼んで韓国からの入国者に対する日本の入国制限措置に抗議したのも、このような厳しい状況認識を反映したものだ。