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国会予算案「強行採決」と揶揄した韓国党、一部議員は「地方区予算確保」を広報

登録:2019-12-11 10:50 修正:2019-12-11 13:36
予算案通過の各様子 
ムン議長、開会直後に「4+1案」上程 
シム・ジェチョルなど韓国党議員約30人が議長室を抗議訪問 
防護課の職員に阻まれ小競り合い 
「強行採決」主張する韓国党議員の一部は 
「地方区予算通過」報道資料を出してひんしゅく

 10日午後8時38分、来年度予算案処理のための本会議が開かれると、自由韓国党の議員たちがぞろぞろと本会議場に入ってきた。ムン・ヒサン国会議長が直ちに「4+1(共に民主党、正しい未来党、正義党、民主平和党+代案新党)協議体」で合意された来年度予算案を上程すると、韓国党議員は席に座りもせず「強行採決」「反則」と一斉にわめきたて、会議場は修羅場となった。

今月10日夜、国会本会議でムン・ヒサン国会議長が来年度予算案を上程すると、自由韓国党議員たちが抗議している=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 キム・ジェウォン政策委議長など韓国党の院内執行部が議長席のすぐ手前まで近づいて激しく抗議すると、ユン・ホジュン民主党議員らは「これでは討論ができない」として押しとどめた。時間が経つにつれ韓国党の抗議は激しくなった。「ムン・ヒサン議長は辞任せよ」「手続きを守れ」と叫び、一部は「息子公認の見返り」という掛け声を繰り返した。ムン議長の地方区に息子が出馬を準備している状況を皮肉ったものだ。民主党議員は「討論終結」という掛け声で対抗した。

 当初、韓国党のチョ・ギョンテ議員と正しい未来党のチ・サンウク議員が自由討論を申し立てたが、韓国党議員の激しい抗議に埋もれて口を開くこともできなかった。結局、ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は、韓国党の反発の中で来年度予算案に対する政府側の意見を説明しなければならなかった。傍聴席ではホン副首相の発言が韓国党議員の掛け声とやじに埋もれ、まともに聞こえなかった。

 韓国党議員らの抗議にもかかわらず、来年度予算案は本会議上程から30分で可決された。予算案と予算付随法案の一部を処理した後、ムン・ヒサン議長は停会を宣言したが、韓国党議員らは席を離れず、議長席の周辺に集まって「4+1は税金泥棒」「強行採決」という文字が書かれたプラカードを持って抗議を続けた。

 本会議停会後、シム・ジェチョル院内代表など韓国党議員約30人は国会議長室を抗議訪問した。彼らは国会防護課の職員に阻まれ、ムン議長との面談に失敗すると、ドアの前で小競り合い「議長に会えない国会議員がどこにいるんだ」「こんな人が国会の首長でいるのは恥辱だ」と激しく抗議した。シム院内代表は「予算案に関する提案の説明もなく、修正案の説明もなかった。案件の順序では予算付随法案を先に処理して予算案を処理することになっていたが、(議長が)順番を変えて予算案を先に処理し強行採決した。予算案を裏付ける法的根拠である付随法案の処理をしていない、完全に偏った強行採決だ」と声を荒げた。

 同日、予算案処理を「強行採決」と非難するなか、韓国党議員の一部は地方区予算誘致を広報する報道資料を出し、ひんしゅくを買った。チャン・ソクチュン議員(慶尚北道亀尾(クミ)市乙)は予算案の本会議通過直後に報道資料を出し、「国会本会議でロボット職業教育センターの設立に向けた来年度の新規事業予算15億5千万ウォンが可決され、亀尾にセンターの誘致が確定された。国会の産業通商資源中小企業委員会の委員として事業予算の通過に大きく貢献した」と自画自賛した。表では「強行採決」と反発しながら、裏では地方区の予算を相当部分組み込んでいるという。民主党のチョ・ジョンシク政策委議長は本会議に先立ち、「4+1合意案に韓国党議員の要求もかなり反映されたというのは本当か」という記者らの質問に「そうだ」と答えた。このため、国会周辺では本会議を通過した予算案が「4+1合意案」ではなく「4+1+α合意案」予算案というジョークが出回りもした。

ソ・ヨンジ、イ・ジヘ、キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/920362.html韓国語原文入力:2019-12-11 09:28
訳C.M

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